犬の手作りごはん お勧め食材

犬に「大根」を食べさせても大丈夫?基本的に問題なし【初心者向け解説】

大根は犬に与えても問題ない野菜の一つです(ただし、甲状腺機能低下症で服薬中の場合は要注意。後ほど解説)。

大根の根の部分には、ほとんど栄養がありません。栄養豊富なのは「」の方です。大根は特性を知って上手に利用することが大切です。

この記事では

  • 大根の部位別栄養素の解説
  • 大根を犬に与えるメリット
  • 与える際の注意点

についてお話しします。

大根の部位別栄養素

大根は部位によって含まれる栄養素が大きく異なります。特性を知って利用するのが賢いやり方です。

大根の「葉」はビタミン類の宝庫

大根の葉には「ビタミンC」「β-カロテン」「カルシウム」が含まれます。

ビタミンC、β-カロテンは共に「抗酸化力」の高い成分。一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。

葉は硬いので、与える際は細かく切って炒める、柔らかく茹でるなど犬が消化しやすいよう工夫が必要です。

「根」の部分は「皮」に栄養がある

つい皮を厚く剥きがちな大根ですが、皮には毛細血管を強くすると言われる「ヘスペリジン」が含まれます。

体に良い成分が多く含まれている皮も柔らかく煮るなどして、丸ごと食べるのがおすすめです。

大根を犬に与えるメリット

大根の「」の部分は淡白で、合わせる素材の味や香りが染み込みやすいという特徴があります。

根の部分は水分はほとんどで栄養価としてはあまり高くありませんが、食物繊維が豊富です。

そのため便秘がちな犬の食生活改善に、肉や魚と一緒に炊いた大根を食べさせるのはおすすめです。

野菜があまり好きでない犬でも、肉や魚の味がしみた大根であれば美味しく食べられます。

」の部分はビタミン類が豊富です。

大根は部位によって味が異なる

葉に近いところは甘みがあるので生食に向きます。先端部は辛味が強く、犬の生食には向きません。中間部は辛さも甘さも中間になります。

犬に大根を与える際の注意点

大根を与える際の注意点を2つ紹介します。

大根を生で与えていいの?

生で与えること自体に問題はありません

ただし大根は部位によって辛味が大きき異なる野菜です。辛味が強い先端部は生食には向きません。

また大根は繊維質が多いため、一度に大量に食べると消化不良の原因になります。

手作りごはん初心者の方は、まずは柔らかく煮た大根を少量からスタートするのがおすすめです。

慣れてきたら、サラダ感覚で大根を少量ずつ生で与えることを試してみてください。

甲状腺機能低下症で服薬中の場合は要注意

犬が甲状腺機能低下症で服薬中の場合、大根には注意が必要です。

その場合は事前に、担当獣医師に相談してください。

何故、甲状腺機能低下症の犬は「大根」に気をつけた方が良いか?については「ブロッコリー」の解説記事内の「アブラナ科の植物」の項目で解説しています。

まとめ

  • 犬に大根を与えることは基本的に問題なし
  • 皮に栄養があるので、柔らく調理して皮ごと食べよう
  • 部位によって辛味に差がある
  • 甲状腺の病気を抱える犬は獣医師に要相談

大根を使ったレシピはこちらもどうぞ

犬に「にんじん」を与えても大丈夫?【初心者向け解説】

にんじんは「β-カロテン」を含む緑黄色野菜の代表。甘みが強く、犬も好む野菜です。

にんじんを犬に与えることは問題ありません。加熱してみ、生でも、お好みでどうぞ。

ただしせっかくの栄養を無駄にせず、しっかり吸収するためには調理法にひと工夫欲しいところです。

この記事では

  • にんじんを犬に与えるメリット栄養価の解説
  • にんじんの栄養素をしっかり取り込むための「調理法

についてお話しします。

犬に「にんじん」を与えるメリット

にんじんの鮮やかな色を作っているのはカロテノイドという色素です。にんじんに含まれるのは「β-カロテン」。高い抗酸化力を持つ色素です。

β-カロテンを摂取するメリット

β-カロテン」には抗酸化作用、免疫賦活作用があることが報告されています。

また「β-カロテン」は犬の体内で必要に応じて「ビタミンA」に変換されます。

ビタミンA」は皮膚や粘膜、目の機能を強化するビタミンです。

ビタミンA」はレバー類に多く含まれる脂溶性ビタミンです。そのため、過剰摂取による「過剰症」を手作りごはんを実践する飼い主さんは心配されることが多いようです。

レバーを少々多く食べたからといって、犬が即ビタミンA過剰症に陥ることはまずありませんが「どうしても心配で気になる」という場合は、β-カロテンを多く含む「にんじん」がお勧めです。

β-カロテンは体内で「必要に応じて」ビタミンAに変換されるため、過剰症の心配がないからです。

レバー類と「ビタミンA過剰症」の関係については別記事で詳しく解説しています。気になる方はご参考に。

にんじんの「葉」や「茎」は抗酸化ビタミンの宝庫

にんじんの体に良い栄養素は何も根の部分だけではありません。損をしないためのポイントをしっかり押さえましょう。

葉、茎の部分には抗酸化ビタミンである「ビタミンC」「ビタミンE」が豊富に含まれています。

もし葉付きにんじんを手に入れた場合は、早く気も捨てず、細かく刻んで炒めるなど「犬が消化しやすい」調理法で犬にも是非食べさせてあげてください。

にんじんの栄養素を効率よく取り入れる調理法・注意点

にんじんは料理法を間違えると損をすることがあります。

皮の部分に栄養がたっぷり!

にんじんは「」の部分に抗酸化成分を多く含みます。そのため、皮を厚く剥いてしまうとせっかくの成分を捨ててしまうことに。

皮は薄く剥くか、気にならないのであればそのままで調理します。

油と一緒でビタミンの吸収率UP!

β-カロテン、ビタミンEは油と一緒に調理すると吸収率が上がります。

まとめ

  • にんじんは抗酸化ビタミンを多く含み、犬が食べても安心
  • 栄養素を無駄にしないためにも、調理法には注意が必要
  • 皮は薄くむく、または皮をむかずそのままで
  • 油と一緒に調理すると、脂溶性ビタミンの吸収率がUP

犬に「ブロッコリー」ってあげて良いの?【初心者向け解説】

ブロッコリーはビタミン・ミネラルが豊富な野菜。犬の手作りごはんにもおすすめです。

一方で「ブロッコリーはアブラナ科の野菜なのであげない方がよい」「ブロッコリーにはシュウ酸カルシウムが多いのであげない方がよいのでは?」という疑問を持つ手作りごはん初心者の方もいます。

この記事では、以下のポイントに絞ってブロッコリーについて解説していきます。

  • 犬にブロッコリーを与えるメリット(栄養価の話)
  • アブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないは本当か?
  • シュウ酸カルシウムが多いから、ブロッコリーを食べると結石症になる?

犬にブロッコリーを与えるメリット

ブロッコリーの栄養価から「ブロッコリーを犬に与えるメリット」を解説していきます。

三大抗酸化ビタミンで老化防止に

ブロッコリーは「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」の三大抗酸化ビタミンを含みます。

ビタミンには「似た性質を持つものを同時に摂取すると、相乗効果でお互いの働きを高め合う」という特徴があります。

特にブロッコリーの「」は緑色の濃い「」の部分と比べると約3倍のビタミンCを含みます。

」はそのままだと固く食べにくいですが、皮を厚くむいて茹でると柔らかく、甘みも強い部位です

栄養豊富な「」も是非、皮を除きやわらく調理して犬に食べさせてください。

カルシウム、鉄分などのミネラル分も豊富

ブロッコリーには骨の健康維持に大切なカルシウム、貧血防止に役立つ鉄分も含まれています。

食物繊維も豊富、便秘予防に

ブロッコリーには多くの食物繊維が含まれています。食事量が少なく便秘がちな犬は食物繊維を適量摂取することで便秘改善効果が期待できます

アブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないの?

ブロッコリーはアブラナ科の植物です。同じグループにキャベツ、大根があります。

ネットで検索すると「犬にアブラナ科の植物はNG」と書かれた記事が多くあります。

「アブラナ科の植物は犬に与えない方がいいと聞いたけど、実際のところどうなの?」

そう疑問に思う方も多いでしょう。これについて解説します。

アブラナ科の植物がなぜ、犬にダメと言われるのか?

アブラナ科の植物には「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。

この成分は食物中の「ヨウ素」の体への取り込みを阻害します。

ヨウ素」は「甲状腺ホルモン」を作る材料になります。その材料が不足し、体は必要な甲状腺ホルモンを産生できなくなります

このことが「甲状腺機能低下症」につながる、というのが「アブラナ科の植物は犬に与えてはいけない」と言われる原因としてあげられます。

でもちょっと待って。ブロッコリー以外にもありますよ?ゴイトロゲンを含む野菜。

アブラナ科の植物の代表はブロッコリー!ブロッコリーは「ゴイトロゲン(要素の吸収を妨げ甲状腺腫をおこすものの総称)」を含むからだめ!というのが「あげてはいけない説」の根拠です。

しかしブロッコリー以外の食品にも「ゴイトロゲン」は含まれているのです。

以下、そのリスト。

  • 大豆
  • 亜麻仁油
  • さつまいも
  • いちご
  • なし
  • キャベツ
  • 白菜
  • ほうれん草

食品によって含有量は様々ですが、上記の食品も「ゴイトロゲン」を含みます。

もし「ゴイトロゲン」が少量でも犬や人の体に影響を与え、甲状腺機能低下症を発症させる成分であれば、これらの食品についても当然注意が必要なはずです。

でも実際にはどうでしょう?

さつまいもは市販の犬のおやつの材料に好んでよく使われます。

亜麻仁油も一時期大ブームになりました。体に良いと聞き、犬に与えていました!という方も多いはず。

そうした食品を摂取した結果、どうなったでしょうか?

犬の甲状腺機能低下症は増加したでしょうか?答えは「いいえ」です。

結論:常識量摂取した食品に含まれる「ゴイトロゲン」は問題なし(ただし注意事項あり)

常識的な食事量から摂取した「ゴイトロゲン」が健康な犬の甲状腺機能低下症の原因になることはありません。

実際に食事が原因で甲状腺機能低下症になった事例も存在しません

もし起こすと知ればそれは、高濃度の「ゴイトロゲン」を短期間で摂取させるなど動物実験での話。

犬の手作りごはんの場合、甲状腺機能を低下させるほどの量の「ゴイトロゲン」を食品から摂取するのは無理があります。

結論:健康な犬が常識の範囲内で食べる分には問題なし。

甲状腺の病気を患っている場合は要注意

健康な犬であれば、常識の範囲内でブロッコリーを手作りごはんに使うのは問題ありません。

ただし甲状腺機能低下症で服薬中の場合、問題が起こる可能性があります。該当する場合は必ず担当獣医師へ相談を。

ブロッコリーに含まれる「シュウ酸」が結石症の原因になるのでは?

ブロッコリーに限らず野菜類を犬に与える際、必ずネット記事上で「シュウ酸」について注意するように書かれています。

実際、野菜を食べることが「結石症」の直接の原因になるような、誤解を招く内容も多く見られます。

なのでここでは「結石症」と「シュウ酸」の関係を整理しながら解説します。

犬の「シュウ酸カルシウム結石症」とは?

結石症は腎臓、尿管、膀胱、尿道などに石状のかたまりができる病気です。

シュウ酸カルシウム結石を発症する要因は実はよくわかっていません。遺伝、性別、食事、性ホルモンとの関係などが考えられています。

シュウ酸は野菜に多く含まれる成分で、カルシウムと容易に結合しやすい性質があります。

そのためシュウ酸を多く含む食品とカルシウムを同時摂取すると、腸内で互いに結合し「シュウ酸カルシウム」となります。この場合、できたシュウ酸カルシウムは便として排泄されるため問題は起こりません。

シュウ酸カルシウム結石症が起こりやすい環境

犬に多い結石症に「ストルバイト結石」があります。この治療の一環として「尿を酸性に傾けてストルバイト結石を溶かす」という方法があります。

実は「シュウ酸カルシウム結石」は尿が酸性になるとできやすくなります。

そのため「ストルバイト結石の再発予防の療法食を食べ尿を酸性に傾けていために今度は「シュウ酸カルシウム結石」になってしまっうことがあります。難しいですね。

シュウ酸カルシウム結石症は、単に野菜を食べただけで発症するわけではありません。様々な要因があってのことです。

健康な犬が常識の範囲内で食べる分には問題ありません。

シュウ酸は茹でることで半分以下に減らせる

健康な犬が適量の野菜を食べること自体が、直接犬の「シュウ酸カルシウム結石」の原因になるわけではありません。

一方で、一度シュウ酸カルシウム結石症を患い「予防」のために気をつけたい、という場合は「茹でる」ことがおすすめです。

ほうれん草の場合で、おひたしにするとシュウ酸カルシウムを最大50%程度まで冷えらせることがわかっています(3分間茹でた場合)。

シュウ酸カルシウムが気になる場合、茹でれば減らせる。

結論:ブロッコリーは犬に問題なし

どんな食材にも「大量に摂取すると問題になる可能性がある成分」は含まれます。

ポイントは「どのくらい食べたらそうなるか?」という量の問題です。

量の問題を抜きに「良い・悪い」は言えません。

またその成分が体にどう作用して問題になるのか?という「仕組み」を知らなければ、対応方法がわかりません。

その成分がただ含まれている、というだけで闇雲に特定の食品を怖がったり、避けるのは意味がありません。

どのくらい食べたら危険なの?」「どういう仕組みでその症状は起こるのか?」をきちんと理解した上で判断するのが正解です。

こちらの記事も併せて参考に。本当に危険なものとそうでないものを知ろう。

そもそも、野菜自体犬にあげて良いの?という方はこちら。

犬の手作りごはんにおすすめ「鯖(サバ)」【初心者向け】

鯖は「青魚」の代表格。犬の手作り食にも使える魚です。

この記事では

  • 鯖の栄養価
  • 犬の手作りごはんに鯖を利用するメリット
  • 利用時の注意点

を解説します。

鯖の栄養価

タンパク質、不飽和脂肪酸DHA、EPA)、ビタミンD、ビタミンB2、ナイアシン、鉄、タウリンを豊富に含みます。

可食部100gあたりのカロリーは202kcalです。

犬の手作りごはんに鯖を利用するメリット

鯖は良質のタンパク源

血管の健康を保ち、血栓を防止する「EPA」「DHA」を豊富に含みます。

犬の体に良い成分でもある「EPA」「DHA」をもれなく摂取するためには脂をできるだけ落とさない調理法を選択する必要があります。

EPA、DHAについては「脂肪酸」の記事内で詳しく解説しています。併せてご参考に。

煮魚にする場合は汁ごと食べる、焼き魚にする場合は網で油を落とすのではなくフライパンで焼き、脂ごと食べさせるなど。

鉄分も豊富で貧血予防に最適です。

利用時の注意点

鯖は水分が多く、傷みが早い魚です。できるだけ新鮮なものを購入し、早目に調理します。

選ぶポイント:ツヤ、ハリのあるものを選びます。腹に金色の筋が入っているものが新鮮な証拠です。選ぶ際の参考に。

鯖を使った犬の手作りごはんレシピを公開しています。ご参考に。

犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】

赤くて丸くて美味しそうなトマト。見ているだけで元気になる緑黄色野菜、トマト。

強い抗酸化力を持つ成分を豊富に含むトマト。犬の身体の酸化を防ぐのにおすすめの野菜です。

この記事では:

  • トマトの栄養価
  • おすすめの利用方法

について解説します。

トマトは抗酸化成分を含む

トマトの主な栄養素はβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、リコピン

リコピンは最強の抗酸化作用を持つ

トマトの赤味色素である「リコピン」は抗酸化力が高い成分。その強さはβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍と言われています。

リコピンは加工されてもそのまま失われることなく残ります。犬の手作りごはんに「トマトの水煮缶」を使ってもリコピンを摂取できます。

手作りごはん初心者におすすめの「利用法」

初心者の方は「トマトの水煮缶」がおすすめ。使いやすくカットしてあり通年利用できます。

トマトは基本夏野菜。夏以外の時期でも利用できる「トマトの水煮缶」は便利です。カット済みなので調理の手間も省けます。

トマトが旬の時期はでの利用も可能。

トマトを皮ごと与えると、皮は消化されずに便に出てきます。

このことで「消化が悪いのではないか?」と心配される方もいますが、問題ありません。気になる場合はトマトの皮をあらかじめ剥いて与えましょう。

初心者におすすめのレシピ

  • トマト缶と野菜、肉を一緒に煮込む「トマト煮込み」
  • 生のトマトをそのまま、ご飯のトッピングとして
  • トマトと卵、ひき肉とスープ仕立てに

まとめ

  • トマトは抗酸化力に優れた成分が豊富。
  • 犬の健康のために是非食べさせたい野菜。
  • 初心者はトマトの水煮缶が利用しやすい。
  • 慣れてきたら生で与えても良い。皮が気になる場合は取り除く

こちらも合わせて参考にどうぞ

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

柔らかい春キャベツ、肉厚な冬キャベツなど「キャベツ」は1年を通して美味しくいただける野菜です。

実はこのキャベツ、犬の手作りごはんにもとても使える優秀野菜

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(キャベジン)」を含む、胃腸に優しい野菜でもあります。

この記事を読むことでわかること:

  • 犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット
  • 注意点
  • キャベツの栄養価

以下、解説記事。

犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット

キャベツは通年手に入る手頃な野菜です。ビタミン類、食物繊維が豊富

栄養価が高く、細かく刻む、柔らかく煮込むことで手作り食が初めての犬でも受け入れやすい野菜です。

また、野菜に慣れ犬であれば生のままでも美味しくいただけます

生で、炒めて、煮込んでと調理のバリエーションが豊富なこともキャベツの魅力です。

利用時の注意点

キャベツの外側にある硬い葉は、犬のお腹に合わない場合もあります

スーパーではよく、箱が用意されていて外側の緑色が濃い硬い葉をお客さんが剥いて柔らかい中身だけを購入できるようにしてありますよね。

外側の硬い葉は、ジャキジャキしていてあまり美味しくはありません。人が食べても美味しいと感じられる柔らかい部分が犬にもおすすすめです

豊富なビタミン類

キャベツの栄養素の特徴は豊富なビタミン類です。

ビタミンC

抗酸化ビタミンとして有名。体内でタンパク質からコラーゲンを合成する際にも必要。水溶性に水に溶けやすい。

ビタミンK

出血を止めるのに欠かせない「止血ビタミン」。骨を丈夫にする働きもあります。脂溶性。

ビタミンU(ビタミン様物質:キャベジン)

成分名「キャベジン」は胃腸薬としても有名な製品名にもなっています。あのキャベジンです。

ビタミンUは正確に言えば「ビタミン様物質」に分類されます。ビタミンではないが、ビタミンに近い働きをする成分です。

ビタミンUは胃酸の分泌を抑制し、胃や十二指腸粘膜の新陳代謝を促し修復する働きを持ちます。

初心者は煮込み料理がおすすめ

犬の手作り食初心者はキャベツは加熱し、柔らかくした「煮込み」がお勧めです。

ビタミンC、Uは水溶性。水に溶け出す性質があるため、煮込みにして汁ごと犬に与えると栄養の損失が防げます。

生で与える場合も、水にさらすのは短時間にとどめます。

まとめ

  • キャベツはビタミン類と食物繊維が多く犬にもおすすめ
  • 固い外側の皮は避ける
  • 初心者は煮込みがおすすめ
  • 煮汁こと食べる料理が向く
  • ビタミンUは胃粘膜の保護に役立つ。胃腸の調子が悪い犬に

こちらも合わせてご参考に:

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬の手作りごはんに「納豆」ってあり!?納豆は犬に超おすすめ食品!【初心者向け】

え!犬に納豆ですか?」犬に納豆というと大抵の場合びっくりした反応が返ってきます。

でも、犬に納豆を与えている人は結構多く「我が家の犬も大好き!」という声も実際よく届きます。

この記事では

  • 犬に納豆を与える栄養学的メリット
  • 与える際の注意点
  • おすすめの与え方

を解説します。

犬に納豆は与えてOK!むしろおすすめ!

犬に納豆を与えても大丈夫です。ただし、大豆アレルギーがある場合は当然ですが与えてはダメです。

おすすめの理由を以下に解説します。

1:納豆=大豆製品は貴重なタンパク源

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富です。しかも植物性の食品の中では珍しく「アミノ酸バランス」が良い食品でもあります。

2:発酵食品だから消化がしやすい!

大豆をただ茹でて与えた場合、消化はあまりよくありません。お腹を壊すことはありませんが、ほぼ消化されずに便として出てきます。

これだとせっかくの栄養が消化・吸収されず勿体無いですね。

その点「納豆」は「発酵食品」のため、大豆のたんぱく質が犬でも消化しやすいように変化しています。

納豆には様々な種類がありますが、犬には「ひきわり納豆」がおすすめです。あらかじめ砕いてあるので、犬も消化がしやすいです。

犬は基本、丸呑みの生き物です。あらかじめ砕いてある「ひきわり納豆」の方がより効率よく消化できます。

3:エネルギー代謝に関わる「ビタミンB2」が豊富!

エネルギー代謝、細胞の再生に関わる「ビタミンB2」、納豆はゆで大豆の約6倍と豊富に含みます。

ビタミンB2」は皮膚や粘膜を健康に保つのにも必要です。

4:カルシウムを骨に定着させる「ビタミンK」も多い!

納豆は「ビタミンK」を多く含みます。カルシウムを骨に定着させるのを「ビタミンK」は助けます。

5:アレルギーなどで動物性食品が食べられない犬の「ビタミンB12」供給源

ビタミンB12は造血作用に欠かせない栄養素ですが、動物性食品に含まれるという特徴があります。

そのため、アレルギーなどで動物性食品を口にできない犬は不足しがちです。

この場合、植物性食品の中でも発酵食品である「納豆」がビタミンB12の供給源となります。

与える際の注意点

納豆はどうしてもネバネバします。そのため、犬種によっては口周りの長い毛に納豆がついてしまい、ベタベタする場合があります

特に毛が長い犬種の場合、納豆を食べた終わった後にネバネバが付置いていないかチェックが必要です。

おすすめの与え方

  • 卵と一緒に「納豆卵がけごはん
  • オクラと一緒に「ネバネバごはん
  • ご飯と炒めて「納豆チャーハン
  • ドライ納豆もおすすめ

卵についてはこちらの解説記事も併せてご覧ください→犬の手作りごはんに「卵」ってどうなの?卵はおすすめ完全栄養食品!【初心者向け】

まとめ:納豆は犬にも栄養満点!ひきわりがおすすめ

  • 犬に納豆は与えてもOK
  • 発酵食品で犬にも消化がしやすい
  • ひきわり納豆だとなお良し
  • ネバネバが口周りを汚すことがあるので注意

納豆を好きな犬なら豆腐も好きになるかもしれません。豆腐の解説の併せてどうぞ。

犬の手作りごはんに「卵」ってどうなの?卵はおすすめ完全栄養食品!【初心者向け】

犬の手作りごはんに「」って使っていいの?手作りごはん初心者の方はまず、どんな材料だったら安心して使えるかで悩みますよね。

そこで今回は「」について解説します。結論から先に言うと「」は犬が食べても問題ありません。栄養価が高く、むしろおすすめ。

この記事を読むことであなたは

  • 卵を犬に与える栄養学的メリット
  • 卵を与える際の注意事項
  • おすすめの与え方

が分かります。

卵は犬にあげても大丈夫!

卵(鶏卵)は犬に与えても問題のない食材です。

ただし、卵アレルギーがある場合は禁忌です。

卵の栄養学的メリットを知ろう!

卵には様々な栄養素が含まれます。ほぼ完全栄養食品として、昔から子供や病人の「滋養強壮食品」とされています。

鶏の雛を育つのに必要な栄養が全て含まれるため、犬が食べてもメリットが大きい食品です。

1:質の良いタンパク源

卵の優れた点は何と言ってもタンパク質の質の良さ。アミノ酸バランスの良さです。

アミノ酸バランスが良いほど体内で利用しやすいです。

参考:卵はアミノ酸スコア100

ただし、人間の必須アミノ酸での計算。食品のアミノ酸バランスを見る際の大まかな参考になる。犬の必須アミノ酸は人の必須アミノ酸+アルギニン

2:ビタミンCと食物繊維以外の全ての栄養を含む

卵の含む栄養は多岐にわたり、ほぼ全ての栄養を含んでいると言えます。

卵を与える際の注意点

卵は加熱でも、生でもOKです。ただし、賞味期限は守りましょう。卵の賞味期限は「生で食べても大丈夫な期限」が記載されています。

生で与える際は出来るだけ新鮮なものを与えるようにします。

おすすめの与え方

手作りごはん初心者の方は

  • ゆで卵を粗みじん切りにしてトッピング
  • 目玉焼きにしてご飯にのせる
  • ご飯と一緒に炒めて「卵チャーハン」に

加熱の方が、初めは安心できます。

まとめ

  • 犬に卵を与えても大丈夫、ただし卵アレルギーには注意
  • 卵はできるだけ新鮮なものを。賞味期限内に使い切ろう
  • 初心者は加熱して与えるのがおすすめ

犬の手作りごはんに「魚」を使うべき理由5つ【初心者向け】

犬のご飯=「肉!」というイメージですが、犬の手作りごはんには「」も使えます。

え??犬に魚?」と驚く方もいますが犬のごはんに「魚」を使わないのはむしろ勿体無いですね。

この記事では「犬の手作りごはんに魚を使うべき理由5つ」をご紹介します。

  • 魚は良質のタンパク源
  • 魚は犬の体に良い「不飽和脂肪酸」の宝庫!
  • 犬だって旬を楽しめる!「季節の魚」をどんどん食べよう!
  • 小魚は丸ごと柔らかく煮れば「カルシウム補給」にぴったり
  • 肉類にアレルギーがある犬は「魚」で代用してみよう

以下、解説です。

1:魚は良質のタンパク源

魚のタンパク質はアミノ酸バランスが良く、犬の体の中で効率よく利用できます。

2:不飽和脂肪酸の宝庫!

魚には健康維持に有益な成分が豊富。特に不飽和脂肪酸のDHA、EPAは魚の油脂に特有な成分。

DHA

魚類の油脂に豊富に含まれる。

  • 動脈硬化、高血圧、痴呆の予防
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の低下

EPA

  • 抗血栓作用
  • 脳卒中、高血圧、動脈硬化の予防
  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の低下
  • アレルギー症状の改善

DHA、EPAについては「脂肪酸」でも詳しく解説しています。

3:魚で犬も「旬」を楽しもう!

四方を海に囲まれた日本では、季節ごとに多くの種類の魚を楽しめる。

旬の魚は栄養価も高い。

例えば産卵期前の秋に、旬を迎える魚は脂乗りが良く、身が締まっている。

魚の旬は専用のカレンダーが提供されている。地域ごとに違うので、自分の住んでいる地域の「お魚カレンダー」を検索してみると良い。

参考:北海道お魚図鑑

初心者が扱いやすいのは、鮭、ニシン、さんま、イワシ、鯖、鱈など。

4:小魚は骨まで柔らかく煮て丸ごと「カルシウム源」に!

イワシ、さんまなど小型の魚は筒切りにして骨まで柔らかく煮ると、丸ごと食べることができる。

骨ごと食べたい場合は圧力鍋の使用がおすすめ。短時間で魚を骨までほろほろに柔らかくすることができる。おすすめはフィスラー社のビタクイック

カルシウムを小魚で取るメリット

さんまにはビタミンDが豊富に含まれているビタミンDはカルシウムの吸収を助け、血中カルシウム濃度を高めます

カルシウムはある程度、血中濃度が高くないと骨に定着しません

小魚を骨ごと食べると、カルシウムとビタミンDを同時に摂取できるので、骨を丈夫にするのに役立ちます。

サンマを圧力鍋で加圧し、骨ごといただくレシピを紹介しています。合わせてご参考に。

5:肉類のアレルギーがあって、合うフードがみつからない!魚で代用。

獣肉類にアレルギーがあり、一般的な市販フードが利用できない

魚ベースのフードを利用したいが、種類が少なく価格も高い、犬は不満そう

そんな悩みを抱える飼い主さんには「魚をベースに手作りごはん」がおすすめ。

肉類はタンパク質の供給源になるので肉が食べられないと不安、という場合でも魚からしっかりタンパク質は摂取できます

市販のフードで全く獣肉類を含まないものは非常に少ない。肉類にアレルギーのある飼い主さんは、数少ない魚ベースのフードを求めて苦労します。

それであればいっそのこと「魚を中心とした手作りごはん」で家庭での調理に切り変えるのがおすすめです。

自分で材料を選ぶ手作りごはんであれば、アレルギー食材を完全排除で作れるので安心です。

何より数少ない獣肉類不使用の市販のフードと比べると手作りごはんの方が低コストで済むケースが圧倒的に多いです。

魚はスーパーで手軽に買えます。

犬に魚を食べさせることが増えると、海の近くの鮮魚市場に足を伸ばしてみようか?など探す・選ぶ楽しみも増えます。

アレルギーだから…と悩むのではなく「だったら魚を美味しく調理して犬に食べさせよう!」と方針を変えることで、飼い主さんも犬の食事に楽しく向き合えます。

最後にまとめ:魚は犬にとってメリットいっぱい!ぜひ食べさせて

魚は栄養学的にも、味的にも優れた食材です。

与える際の注意点は「硬い骨は必ず除く」。

圧力鍋で骨まで柔らかく、という特別な調理を除き、魚の骨はとってから犬に与えましょう。

生で与える際には「アニキサス」などの寄生虫に注意。これは人間でも増加傾向にある食中毒です。人間のお刺身用として販売されている物にも稀に潜んでい流ので注意が必要です。

アニキサス」は加熱、または冷凍と死滅します。お刺身を与える場合は冷凍されたものを選ぶと安全です。

犬におすすめの魚についての解説はこちら。

犬の手作りごはんに「ラム肉」メリットと栄養を解説。体をよく動かす犬に最適!【初心者向け】

ラム肉は独特の強い香りを持つ肉で、犬も好んで食べます。この記事では犬にラム肉を与える栄養学的メリットについて解説します。

そもそもラム肉とは?

生後1年未満の若い羊肉を「ラム」と呼びます。1年以上成長位したのが「マトン」です。

香りが強く犬は大好き!

ラム肉は独特の強い香りを持ちます。そのためラム肉が大好き!と喜ぶ犬も多くいます。

ラム肉は鉄分が豊富

鮮やかな赤身の「ラム肉」は他の食肉と比べると「」を多く含みます。「ビタミンB12」の含有量も多く、貧血防止にはおすすめの肉です。

ビタミンB12」は赤血球の生成に欠かせないビタミンです。動物性食品にのみ含有されるため(例外は海苔)犬は肉類からしっかり摂取する必要があります。

タンパク質

体の維持に欠かせない「タンパク質」を多く含みます。アミノ酸バランスも良く、健康な犬の筋肉、皮膚、被毛の維持におすすめです。

脂質

ラム肉は飽和脂肪酸不飽和脂肪酸をバランスよく含みます。飽和脂肪酸はエネルギー源として重要です。中性脂肪コレステロールの材料となります。

飽和脂肪酸は本当に悪者か?

中性脂肪、コレステロールの材料となるため、飽和脂肪酸はこの片側だけを見て「体に悪い」と考えられがちです。これは大きな誤解です

コレステロールは細胞膜の材料、体の中での物質運搬胆汁酸の材料となり消化を助けるなど大切な役割を担っています。

過剰摂取=量が問題を引き起こすのであって、コレステロール自体が悪い訳ではありません

中性脂肪の役割

中性脂肪もコレステロール同様に悪者とされがちです。

しかしながら中性脂肪も体に大切なエネルギーの貯蔵の役割を担っています。体脂肪が少なすぎると風邪をひきやすい、病気から回復しにくいなどデメリットが生じます。

大切なのは程度の問題です。適度な体脂肪は犬の健康を守る上で必要です。

不飽和脂肪酸について

不飽和脂肪酸は植物油や魚に多い成分です。ラム肉にはこの不飽和脂肪酸も多く含まれるのが特徴です。

不飽和脂肪酸は血中コレステロール値を減らす効果で注目されていますが、取りすぎるとアレルギーの原因になる可能性が指摘されています

ここでも大切なのは「」の問題。どんな成分でも取りすぎれば害となり、足りなければ欠乏となります。「適度」な摂取を心がけましょう。

カルニチン

脂肪燃焼を助けるカルニチンが豊富なのもラム肉の特徴です。

結論:ラム肉は体をよく動かす犬の健康維持におすすめの食材

ラム肉は運動が好きな犬、散歩が好きでよく歩く犬=軽い運動・有酸素運動を行う犬に特におすすめです。

有酸素運動を行う犬は、はじめに筋肉の維持、酸素を体に供給するための鉄分を多く必要とします。

ラム肉は筋肉維持のためのタンパク源として、運動をする犬に必須の酸素運搬成分=鉄の供給源として最適です。

軽い運動を継続して行うにはエネルギー源としての脂肪燃焼が必須です。カルニチンは脂肪を効率食エネルギーに変える手助けをしてくれます。

一口に「」と言っても犬のライフスタイルによって、体に最適な「」は変わってきます。

食事から犬の健康を支えるためには食材の特性をよく知り、栄養を知り、犬に合わせて選ぶことが大切です。

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