犬の手作りごはん

犬の手作りごはん栄養学「脂肪酸」【初心者向け】

脂肪酸」は「脂質」の主成分。油脂の中にどのような「脂肪酸」が多いかにより、体に働きかける性質が変わります。

この記事では「脂肪酸」について解説します。

脂肪酸」を理解することで犬の手作りごはんに「どんな油を選べばいいか?」がわかります。以下のポイントに沿って解説します。

  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸
  • 必須脂肪酸

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。

飽和脂肪酸

パーム油、やし油、ラード、牛脂などに多く含まれます。常温で固形の油脂に多い脂肪酸です。

種類

  • パルチミン酸
  • ステアリン酸
  • ラウリン酸
  • ミリスチン酸
  • カプリン酸

主な働き

  • コレステロールを増やす
  • 中性脂肪を増やす
  • 血液の粘度をあげる

飽和脂肪酸は上記の働きから「体に悪い」と誤解されがちです。しかし「飽和脂肪酸」の摂取量が少なすぎても、脳出血リスクを高めるなどデメリットがあります。

「飽和脂肪酸」も適度に摂取することが健康維持には必要です。

多価不飽和脂肪酸

オリーブオイル、ごま油などの植物油、魚油に多く含まれる脂肪酸です。

酸化しやすく、劣化しやすいという特徴があります。構造により「n-3系」「n-6系」に分類されます。

n-6系

n-6系にはγ-リノレン酸アラキドン酸リノール酸があります。

犬が手作りごはんで摂取する量が多いのは「リノール酸」です。

リノール酸一般植物油(大豆油、コーン油、ごま油など)に多く含まれる。動脈硬化や高血圧の予防に。摂取しすぎると動脈硬化の原因になる。

n-3系

n-3系にはα-リノレン酸DHAEPAがあります。

【EPA】魚類の油脂(本鮪の脂身、ブリ、ハマチ、さんまなど)に多く含まれる。動脈硬化、高血圧、痴呆の予防、LDL(悪玉)コレステロールの低下

【DHA】魚類の油脂(マイワシ、本鮪の脂身、鯖、ブリ、さんまなど)に多い。抗血栓作用、脳卒中、高血圧、動脈硬化の予防LDL(悪玉)コレステロールの低下アレルギー症状の改善

EPA、DHAはいずれも魚に多く含まれます。

犬に魚を与えるメリットについては以下の記事でも解説しています、ご参照ください。

必須脂肪酸について

体にとって必要な脂肪酸だが体内で合成できないものを「必須脂肪酸」と呼びます。

必須脂肪酸は食事から摂取する必要があります。

犬は「リノール酸」と「α-リノレン酸」を材料に、体内でγ-リノレン酸、アラキドン酸、EPA、DHAを合成できます。

リノール酸」「α-リノレン酸」は食事から適度に摂取する必要があります。

リノール酸植物油に、α-リノレン酸月見草オイル魚類に多く含まれます。

脂肪酸まとめ

  • 脂肪酸にはそれぞれ特徴がある
  • 飽和脂肪酸は動物性油脂に多い
  • 不飽和脂肪酸は植物性油脂、魚油に多い
  • 体で合成できない必須脂肪酸を食事から摂取する必要がある

犬の栄養学を詳しく学びたい方は入門者向けのこちらの無料電子書籍も併せてどうぞ。

犬の手作りごはん栄養学「脂質」【初心者向け】

脂質は効率の良いエネルギー源。細胞膜やホルモンの材料にもなる、体に欠かせない物質です。

この記事を読むことで、脂質について以下のことを理解できるようになります。

  • エネルギー源としての脂質
  • 体の材料としての脂質
  • 脂質を多く含む食品の紹介

1:エネルギー源としての脂質

脂質は1gあたり9kcalと糖質、タンパク質と比べて高カロリーです。

脂質は体動かすエネルギー源として重要です。

例えば犬の「散歩」。

軽度の運動をまとまった時間続ける=有酸素運動です。犬の散歩は有酸素運動。この際、エネルギー源として使われるのが体に蓄えられている「体脂肪」です。

脂質は「高カロリーだから」と避けられる傾向にありますが、体にとっては必要なものです。

犬が元気に散歩を楽しむために、適度な脂質の摂取は必要です。

2:体の材料としての脂質

脂質が体の材料になる、というのは普段あまり意識されません。ここでは脂質が体の構成素として重要な役割を担っていることを解説します。

脂質は皮脂膜の材料になり、皮膚を守る

犬も私たちも皮膚の表面を「皮脂膜」で覆っています。

皮脂膜」は私たちの皮膚の表面から「水分」が蒸発することを防いでいます。この働きにより、私たちの皮膚内では適度な水分が保たれます

もしこの「皮脂膜」が無くなるとどうなるでしょうか?

皮膚の表面からどんどん水分が蒸発し、角質層の乾燥が進みます。

乾燥が進むと皮膚は外部からの刺激を受けやすくなります。外部からの異物も侵入しやすくなります

結果として、肌荒れ、かゆみ、湿疹などの原因となります。

皮脂膜は皮膚から分泌される「皮脂」から作られる「肌のバリア」です。

この「肌のバリア」の原料として、食事から摂取する適度な脂質が必要なのです。

脂質は「皮脂膜」の材料となる。

脂質は細胞を作る「細胞膜」の材料となる

犬も私たちも「細胞」がたくさん集まってできた「多細胞生物」です。

人の体で37兆個の細胞があるとされています。この細胞1つ1つの構成要素として使われているのが「リン脂質」という物質です。

リン脂質」は細胞を包む「細胞膜」を作るのに欠かせない物質です。

私たちの体の細胞37兆個が必要とする「リン脂質」。このリン脂質の材料として「脂質」は必要不可欠です。

細胞は犬・人ともに生命の基本要素です。その基本要素を作るのに不可欠な材料として「脂質」は存在しています。

このことからも脂質は「食事から適量」を取る必要があることがわかります。

脂質は「細胞膜」の材料になる。適度な摂取が必要。

脂質はホルモンの材料となる

私たち体内では様々な「ホルモン」が働いて体の機能を調整しています。

その中でも「ステロイドホルモン」と呼ばれるグループは、脂質を材料とする「ステロール類」から作られます。

ステロイドホルモンの代表は「副腎皮質ホルモン」。

このホルモンは「炎症の抑制」「糖質の代謝」「免疫反応」など様々な役割を担っています。

脂質は大切な「ホルモンの材料」になる。

3:脂質を多く含む食品

脂質は以下の食品に多く含まれます。

  • 油脂類(オリーブオイル、バターなど)
  • 肉類
  • 魚類

犬の手作りごはんにおすすめで、脂質を適度に含む食品については下記を参照してください。

脂質は犬の体に必要なものですが、一度に大量に脂質を摂取することは「急性膵炎」の原因になります。

これについては下記の記事も併せて参照してください。

脂質の性質を決めるのは「脂肪酸」です。脂肪酸の特徴を知ることで、犬の健康に最適な油脂の選び方がわかります。

脂肪酸については以下の記事で詳しく解説しています。

犬の手作りごはんにおすすめ「鯖(サバ)」【初心者向け】

鯖は「青魚」の代表格。犬の手作り食にも使える魚です。

この記事では

  • 鯖の栄養価
  • 犬の手作りごはんに鯖を利用するメリット
  • 利用時の注意点

を解説します。

鯖の栄養価

タンパク質、不飽和脂肪酸DHA、EPA)、ビタミンD、ビタミンB2、ナイアシン、鉄、タウリンを豊富に含みます。

可食部100gあたりのカロリーは202kcalです。

犬の手作りごはんに鯖を利用するメリット

鯖は良質のタンパク源

血管の健康を保ち、血栓を防止する「EPA」「DHA」を豊富に含みます。

犬の体に良い成分でもある「EPA」「DHA」をもれなく摂取するためには脂をできるだけ落とさない調理法を選択する必要があります。

EPA、DHAについては「脂肪酸」の記事内で詳しく解説しています。併せてご参考に。

煮魚にする場合は汁ごと食べる、焼き魚にする場合は網で油を落とすのではなくフライパンで焼き、脂ごと食べさせるなど。

鉄分も豊富で貧血予防に最適です。

利用時の注意点

鯖は水分が多く、傷みが早い魚です。できるだけ新鮮なものを購入し、早目に調理します。

選ぶポイント:ツヤ、ハリのあるものを選びます。腹に金色の筋が入っているものが新鮮な証拠です。選ぶ際の参考に。

鯖を使った犬の手作りごはんレシピを公開しています。ご参考に。

犬の手作りごはんレシピ「鯖とキャベツのトマト煮込み」【初心者向け】

青魚「」とキャベツトマト缶を使ったお手軽煮込みレシピです。

圧力鍋で加圧10分、通常の鍋だとキャベツが柔らくなるまで煮込みます。基本、鍋に入れて待つだけです。簡単。

レシピ栄養青魚を犬に与えるメリットについてこの記事では紹介します。

簡単な作り方、犬が実際に食べている様子は動画にもまとめてあります。ご一緒にどうぞ。

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犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】

赤くて丸くて美味しそうなトマト。見ているだけで元気になる緑黄色野菜、トマト。

強い抗酸化力を持つ成分を豊富に含むトマト。犬の身体の酸化を防ぐのにおすすめの野菜です。

この記事では:

  • トマトの栄養価
  • おすすめの利用方法

について解説します。

トマトは抗酸化成分を含む

トマトの主な栄養素はβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、リコピン

リコピンは最強の抗酸化作用を持つ

トマトの赤味色素である「リコピン」は抗酸化力が高い成分。その強さはβ-カロテンの2倍、ビタミンEの100倍と言われています。

リコピンは加工されてもそのまま失われることなく残ります。犬の手作りごはんに「トマトの水煮缶」を使ってもリコピンを摂取できます。

手作りごはん初心者におすすめの「利用法」

初心者の方は「トマトの水煮缶」がおすすめ。使いやすくカットしてあり通年利用できます。

トマトは基本夏野菜。夏以外の時期でも利用できる「トマトの水煮缶」は便利です。カット済みなので調理の手間も省けます。

トマトが旬の時期はでの利用も可能。

トマトを皮ごと与えると、皮は消化されずに便に出てきます。

このことで「消化が悪いのではないか?」と心配される方もいますが、問題ありません。気になる場合はトマトの皮をあらかじめ剥いて与えましょう。

初心者におすすめのレシピ

  • トマト缶と野菜、肉を一緒に煮込む「トマト煮込み」
  • 生のトマトをそのまま、ご飯のトッピングとして
  • トマトと卵、ひき肉とスープ仕立てに

まとめ

  • トマトは抗酸化力に優れた成分が豊富。
  • 犬の健康のために是非食べさせたい野菜。
  • 初心者はトマトの水煮缶が利用しやすい。
  • 慣れてきたら生で与えても良い。皮が気になる場合は取り除く

こちらも合わせて参考にどうぞ

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

柔らかい春キャベツ、肉厚な冬キャベツなど「キャベツ」は1年を通して美味しくいただける野菜です。

実はこのキャベツ、犬の手作りごはんにもとても使える優秀野菜

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(キャベジン)」を含む、胃腸に優しい野菜でもあります。

この記事を読むことでわかること:

  • 犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット
  • 注意点
  • キャベツの栄養価

以下、解説記事。

犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット

キャベツは通年手に入る手頃な野菜です。ビタミン類、食物繊維が豊富

栄養価が高く、細かく刻む、柔らかく煮込むことで手作り食が初めての犬でも受け入れやすい野菜です。

また、野菜に慣れ犬であれば生のままでも美味しくいただけます

生で、炒めて、煮込んでと調理のバリエーションが豊富なこともキャベツの魅力です。

利用時の注意点

キャベツの外側にある硬い葉は、犬のお腹に合わない場合もあります

スーパーではよく、箱が用意されていて外側の緑色が濃い硬い葉をお客さんが剥いて柔らかい中身だけを購入できるようにしてありますよね。

外側の硬い葉は、ジャキジャキしていてあまり美味しくはありません。人が食べても美味しいと感じられる柔らかい部分が犬にもおすすすめです

豊富なビタミン類

キャベツの栄養素の特徴は豊富なビタミン類です。

ビタミンC

抗酸化ビタミンとして有名。体内でタンパク質からコラーゲンを合成する際にも必要。水溶性に水に溶けやすい。

ビタミンK

出血を止めるのに欠かせない「止血ビタミン」。骨を丈夫にする働きもあります。脂溶性。

ビタミンU(ビタミン様物質:キャベジン)

成分名「キャベジン」は胃腸薬としても有名な製品名にもなっています。あのキャベジンです。

ビタミンUは正確に言えば「ビタミン様物質」に分類されます。ビタミンではないが、ビタミンに近い働きをする成分です。

ビタミンUは胃酸の分泌を抑制し、胃や十二指腸粘膜の新陳代謝を促し修復する働きを持ちます。

初心者は煮込み料理がおすすめ

犬の手作り食初心者はキャベツは加熱し、柔らかくした「煮込み」がお勧めです。

ビタミンC、Uは水溶性。水に溶け出す性質があるため、煮込みにして汁ごと犬に与えると栄養の損失が防げます。

生で与える場合も、水にさらすのは短時間にとどめます。

まとめ

  • キャベツはビタミン類と食物繊維が多く犬にもおすすめ
  • 固い外側の皮は避ける
  • 初心者は煮込みがおすすめ
  • 煮汁こと食べる料理が向く
  • ビタミンUは胃粘膜の保護に役立つ。胃腸の調子が悪い犬に

こちらも合わせてご参考に:

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬の手作りごはんレシピ「さんまと大根の煮物」柔らかく煮て骨ごと【初心者向け】

犬の手作りごはん秋刀魚

犬も大好き!魚を使った手作りごはんメニューです。

今回は「さんま」を圧力鍋で煮て骨ごといただきます。圧力鍋があると、10分でさんまは骨までホロホロに。

魚を美味しく骨まで食べてカルシウム補給を。

これはレシピ、作り方、圧力鍋の紹介をまとめた記事です。

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犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬に野菜ってあげていいの?」これって手作りごはんをやっていく上で永遠のテーマとも言える悩みですよね。

結論から先に言うと「玉ねぎなど、犬に明らかに害のある食べ物以外は基本OK」です。

ただし条件付きOKの野菜もあるため、野菜に関しては単純に「良い・悪い」が言えません。

「犬は肉食動物なので野菜は体に負担」と言うのは明らかに間違いです。ネット上に多い記述なので要注意。

この記事では「犬と野菜の関係」を正しく解説し、与える際の注意点も併せてお話しします。

大雑把な結論:犬に野菜は問題ない。ただし…

野菜といってもいろいろありますよね。

犬のとってダメな野菜をまずしっかり理解しましょう。

ネギ類はNG×

長ネギ、玉ねぎなどの「ネギ類」に含まれる成分(アリルプロピルジスルフィド)は犬が許容量を摂取すると「玉ねぎ中毒」を引き起こします。

参考:犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】

玉ねぎ中毒」になると赤血球が壊れ、中の色素が尿に漏れ出てきます。赤〜濃いオレンジ色に近い「ヘモグロビン尿」がでます。この症状があるときはすぐに動物病院へ。

きのこ類は条件付き△

手作りごはんの本やネット上のレシピには「きのこ」を犬の手作りごはんに勧めている記事もあります。しかし犬によっては「きのこ」を与えると嘔吐する場合があります。

きのこは犬にとって消化しにくい食物です。与える際はごく少量に止めるか、細かく刻んで少量から始めて様子を見ましょう。

尚、きのこ類は絶対に「生」で与えてはいけません。

きのこの生食はヒトでも食中毒の危険があります。

犬に野菜がダメって何故言われるのか?

犬は肉食動物なので「野菜」は消化に悪い、適さないという説をネット上でよく見かけます。

これは明らかに誤りです。以下解説。

犬は雑食動物です

犬の祖先は狼、狼は肉食、だから犬も肉食、という風に誤解されています。これは誤り。

犬は雑食動物。肉も食べますが、穀物食、野菜にもよく適応します。

野菜を犬は消化できないから負担は「間違い」×

野菜に含まれる「食物繊維」を消化し、自分のエネルギーとして利用できるのは草食動物です。

草食動物は消化管に微生物を飼っていて、その微生物に食物繊維を分解してもらい、その副産物をエネルギー利用しています。

犬も人も自前の消化酵素では食物繊維を消化できません

犬・人でも腸内細菌がごくわずかに食物繊維を分解し、そこから微量なエネルギー利用も行われているようです。それでも必要なエネルギーをまかなうほどではありません。

食物繊維のメリットはむしろ「消化できないこと」にあります。

消化できないからこそ、腸内で膨らみ排便を促す、腸内の不要物を吸着し排泄を促すなど様々なメリットがあります。

消化できない=体に負担とは限らない

ということです。

初心者におすすめの「野菜」5種

犬の手作りごはん初心者でも扱いやすい「犬におすすめの野菜」を5つ厳選してご紹介します。

1:白菜

柔らかく癖のない「白菜」は初心者におすすめです。柔らかく切り、食べやすい大きさに切って与えます。

他の素材の味が染み込みやすいので、肉と合わせると野菜が初めての犬でも抵抗なく食べられます。

2:にんじん

緑黄色野菜のにんじんはβ-カロテンが豊富です。β-カロテン抗酸化力が高く体内の酸化防止におすすめです。

犬は甘みを好みます。にんじんを柔らかく煮て甘みを引き出すと犬にも食べやすい。食べやすい大きさに切って与えます。

3:きゅうり

水分が多く、ぽりぽりとおやつ代わりに食べる犬も。暑い時期の水分補給にも最適です。

与える際は薄くスライスして。生でも、炒め物でもOKです。

4:キャベツ

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(通称:キャベジン)」が豊富。「ビタミンC」も豊富で特に芯の近くに多く含まれます。

火を通すと柔らかくなります。手作り食にまだ慣れていない犬には加熱して与えます。野菜に慣れている犬であれば、生でも加熱でも。

キャベツの解説記事はこちら:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

5:トマト

トマトの酸味や甘みを好む犬は多く、生で、トマト煮込みでと手作り食に活躍するのはトマトです。

トマトには「三大抗酸化ビタミン」と呼ばれる「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」が多く含まれています。

トマトの赤い色素である「リコペン」はβ-カロテンよりもさらに強い抗酸化力が備わっています。

生で、加熱でも犬のごはんに使えます。缶詰を使えば通年トマトを利用でき、便利です。

トマトの詳しい解説がこちらを参考に:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】

まとめ

  • 「犬に野菜はダメ」ではなく「ダメな野菜もある」が正解
  • 消化できないから体に悪いというわけではない
  • ダメな野菜はその理由も知っておこう
  • 初心者は加熱、細かく刻むなど消化良い調理法でチャレンジしよう

犬の手作りごはんに「納豆」ってあり!?納豆は犬に超おすすめ食品!【初心者向け】

え!犬に納豆ですか?」犬に納豆というと大抵の場合びっくりした反応が返ってきます。

でも、犬に納豆を与えている人は結構多く「我が家の犬も大好き!」という声も実際よく届きます。

この記事では

  • 犬に納豆を与える栄養学的メリット
  • 与える際の注意点
  • おすすめの与え方

を解説します。

犬に納豆は与えてOK!むしろおすすめ!

犬に納豆を与えても大丈夫です。ただし、大豆アレルギーがある場合は当然ですが与えてはダメです。

おすすめの理由を以下に解説します。

1:納豆=大豆製品は貴重なタンパク源

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富です。しかも植物性の食品の中では珍しく「アミノ酸バランス」が良い食品でもあります。

2:発酵食品だから消化がしやすい!

大豆をただ茹でて与えた場合、消化はあまりよくありません。お腹を壊すことはありませんが、ほぼ消化されずに便として出てきます。

これだとせっかくの栄養が消化・吸収されず勿体無いですね。

その点「納豆」は「発酵食品」のため、大豆のたんぱく質が犬でも消化しやすいように変化しています。

納豆には様々な種類がありますが、犬には「ひきわり納豆」がおすすめです。あらかじめ砕いてあるので、犬も消化がしやすいです。

犬は基本、丸呑みの生き物です。あらかじめ砕いてある「ひきわり納豆」の方がより効率よく消化できます。

3:エネルギー代謝に関わる「ビタミンB2」が豊富!

エネルギー代謝、細胞の再生に関わる「ビタミンB2」、納豆はゆで大豆の約6倍と豊富に含みます。

ビタミンB2」は皮膚や粘膜を健康に保つのにも必要です。

4:カルシウムを骨に定着させる「ビタミンK」も多い!

納豆は「ビタミンK」を多く含みます。カルシウムを骨に定着させるのを「ビタミンK」は助けます。

5:アレルギーなどで動物性食品が食べられない犬の「ビタミンB12」供給源

ビタミンB12は造血作用に欠かせない栄養素ですが、動物性食品に含まれるという特徴があります。

そのため、アレルギーなどで動物性食品を口にできない犬は不足しがちです。

この場合、植物性食品の中でも発酵食品である「納豆」がビタミンB12の供給源となります。

与える際の注意点

納豆はどうしてもネバネバします。そのため、犬種によっては口周りの長い毛に納豆がついてしまい、ベタベタする場合があります

特に毛が長い犬種の場合、納豆を食べた終わった後にネバネバが付置いていないかチェックが必要です。

おすすめの与え方

  • 卵と一緒に「納豆卵がけごはん
  • オクラと一緒に「ネバネバごはん
  • ご飯と炒めて「納豆チャーハン
  • ドライ納豆もおすすめ

卵についてはこちらの解説記事も併せてご覧ください→犬の手作りごはんに「卵」ってどうなの?卵はおすすめ完全栄養食品!【初心者向け】

まとめ:納豆は犬にも栄養満点!ひきわりがおすすめ

  • 犬に納豆は与えてもOK
  • 発酵食品で犬にも消化がしやすい
  • ひきわり納豆だとなお良し
  • ネバネバが口周りを汚すことがあるので注意

納豆を好きな犬なら豆腐も好きになるかもしれません。豆腐の解説の併せてどうぞ。

犬の手作りごはんに「卵」ってどうなの?卵はおすすめ完全栄養食品!【初心者向け】

犬の手作りごはんに「」って使っていいの?手作りごはん初心者の方はまず、どんな材料だったら安心して使えるかで悩みますよね。

そこで今回は「」について解説します。結論から先に言うと「」は犬が食べても問題ありません。栄養価が高く、むしろおすすめ。

この記事を読むことであなたは

  • 卵を犬に与える栄養学的メリット
  • 卵を与える際の注意事項
  • おすすめの与え方

が分かります。

卵は犬にあげても大丈夫!

卵(鶏卵)は犬に与えても問題のない食材です。

ただし、卵アレルギーがある場合は禁忌です。

卵の栄養学的メリットを知ろう!

卵には様々な栄養素が含まれます。ほぼ完全栄養食品として、昔から子供や病人の「滋養強壮食品」とされています。

鶏の雛を育つのに必要な栄養が全て含まれるため、犬が食べてもメリットが大きい食品です。

1:質の良いタンパク源

卵の優れた点は何と言ってもタンパク質の質の良さ。アミノ酸バランスの良さです。

アミノ酸バランスが良いほど体内で利用しやすいです。

参考:卵はアミノ酸スコア100

ただし、人間の必須アミノ酸での計算。食品のアミノ酸バランスを見る際の大まかな参考になる。犬の必須アミノ酸は人の必須アミノ酸+アルギニン

2:ビタミンCと食物繊維以外の全ての栄養を含む

卵の含む栄養は多岐にわたり、ほぼ全ての栄養を含んでいると言えます。

卵を与える際の注意点

卵は加熱でも、生でもOKです。ただし、賞味期限は守りましょう。卵の賞味期限は「生で食べても大丈夫な期限」が記載されています。

生で与える際は出来るだけ新鮮なものを与えるようにします。

おすすめの与え方

手作りごはん初心者の方は

  • ゆで卵を粗みじん切りにしてトッピング
  • 目玉焼きにしてご飯にのせる
  • ご飯と一緒に炒めて「卵チャーハン」に

加熱の方が、初めは安心できます。

まとめ

  • 犬に卵を与えても大丈夫、ただし卵アレルギーには注意
  • 卵はできるだけ新鮮なものを。賞味期限内に使い切ろう
  • 初心者は加熱して与えるのがおすすめ