栄養学

犬の手作りご飯「タンパク質足りてる?」| 初心者向け

Office Guriの諸橋直子です。日本アニマルウェルネス協会認定「ホリスティックケア・カウンセラー」、愛玩動物飼養管理士2級の有資格者です。

犬の手作りご飯歴15年になります。

さて犬の手作りご飯初心者の方の中には
「素人の手作りごはんで、犬に必要なタンパク質をちゃんと賄えているんだろうか?」
と不安を感じる方が、結構な数いらっしゃいます。

そこで今回の記事では「手作りごはんでタンパク質が足りているかどうか?をどこで判断すればいい?」をテーマに解説していきます。

「食事からタンパク質は、どのくらいの量を与えれば問題ないのか」についても基本の考え方を解説していくので、参考にしてください。

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ビタミンA | 犬の手作りごはん栄養学

ビタミンA皮膚、粘膜、目の健康に欠かせないビタミン。強い抗酸化力を持ちます。

脂溶性ビタミンに分類されます。

この記事ではビタミンの働き、効率的な摂取方法、多く含まれる食材について解説します。

ビタミンAには様々な形がある

体内でビタミンAとして働くものをまとめてビタミンAと呼びます

カロテン(植物性食品)

カロテンは植物に含まれる成分です。

代表的なのは緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン犬や人の体内で必要に応じてビタミンAに変換され使用されます

β-カロテンはそれ自体が強い抗酸化力を持ちます。

体内の酸化を防ぎ、老化を遅らせる抗酸化成分としての働きが注目されています。

レチノール(動物性食品)

動物性食品にはビタミンAレチノールの形で含まれます。レチノールが過剰摂取すると体内に蓄積され、過剰症を起こすと言われます。

但し、過剰症についてはかなり偏った食事を長期間続ける、サプリメントの容量を超えた過剰摂取などかなり特殊な状況でなければ起こりません。

犬で心配されるのがレバーの過剰摂取によるビタミンA過剰症です。

レバーの中では鶏レバーがビタミンA含有量の高さで知られます。

鶏レバーに関しては、犬に安全な量を知って与えることが大切です。詳しくは下記の記事で解説しているのでご参考に。

過剰症

動物性レチノールを過剰摂取すると、妊娠中の胎児に先天性異常が起こる場合があります。

レバー類に取りすぎには注意が必要です。

これ以外では頭痛、吐き気などの症状が見られる場合があります。

なお、β-カロテンには過剰症の心配はありません。

欠乏症

ビタミンAはとの関わりが深いビタミンです。

ビタミンAが不足すると視覚障害を起こすケースがあります。

また口、鼻、喉、消火器など粘膜の健康を保つのにビタミンAは欠かせません。

鼻、喉の粘膜は外部から侵入する異物や病原菌から体を守る上で大切なゲートの役割を担っています。

そのためビタミンAが不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなるとされています。

ビタミンAを多く含む食品

動物性食品では鶏レバー、豚レバー、銀ダラに多く含まれます。

植物性ではにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富です。

植物性の食品の場合、ビタミンA吸収率を上げるためには油と一緒の調理がおすすめです。

にんじん、かぼちゃの詳しい解説は下記の記事もあわせてどうぞ。

ビタミンの基本を知りたい方はこちらもどうぞ

ビタミン | 犬の手作りごはん栄養学

犬の体の機能調整や維持に欠かせない成分です。

ビタミンには多くの種類がありますが、ここではまずビタミンとは何か?という基本を解説します。

ビタミンは三大栄養素をエネルギーに変える

糖質、脂質、タンパク質の3つの栄養素はエネルギーとして利用できるため三大栄養素と呼ばれます。

この三大栄養素をエネルギーに変えるため、体内では代謝が起こります。その際、酵素の助けを必要としますが、その酵素の働きをさらに助けるのがビタミンです。

酵素の働きを助ける物質を補酵素と呼びます。ビタミンの中には補酵素として働くものがあります。

体で作り出せないビタミンは食事から摂取する必要がある

体が必要とするビタミンはごく少量ですが、体で作り出せないビタミンは必ず食事からとる必要があります。

例えば糖質の代謝にはビタミンB1が必須です。糖質を多く摂取するとビタミンB1がどんどん消費されます。

ビタミンB1が不足するといくら糖質を摂取しても効率よくエネルギーに変えることができません。

そのため、体がだるい、疲れやすくなるなどの体調不良が起こります。

ビタミンは不足すると体調に不調を引き起こす物質でもあります。

さてこのように言うと「手作りごはんで犬に必要なビタミンをちゃんと摂取することができるだろうか?」と心配する方も多くいます。

結論から言うと、ビタミンは肉、野菜、穀類など様々な食材に含まれているので「極端な偏りなく」色々食べていれば、ビタミンが不足することはありません。

偏食をしないことが結果としてリスクヘッジにつながります。

ビタミンは13種類ある

13種類あるビタミンは水溶性、脂溶性に分けられます。

脂溶性ビタミン

油に溶ける性質のあるビタミンです。

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

体脂肪に溶け込み体に蓄積される性質を持ちます。

そのため過剰に摂取すると過剰症につながるのでは?と心配されますが、通常の食生活では過剰症の心配はありません。

過剰症はサプリメントの過剰摂取や、特定の食品のみに偏った食生活を長く続けることで報告される例がほとんどです。

犬の場合、レバーに含まれるビタミンAが過剰症を起こすのではないか?と心配されることがあります。

これについては下記の記事に詳しく書きましたので参考にしてください。

水溶性ビタミン

水に溶ける性質のあるビタミンです。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンC

水に溶けやすい分、一度に大量に摂取しても不要な分は尿として排泄されます。

ビタミンの特性を知り、上手に手作りごはんに活用しよう

ビタミンには様々な特徴があり、どのような食材に含まれているかも異なります。

そこで飼い主さんがビタミンの特性を知り、食材の選択や調理に生かすことが、犬の食事の栄養バランスをとることにつながります。

例えば、脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を生かし、ビタミンA、Eを多く含む緑黄色野菜は油と炒めることでビタミンの吸収率を上げることができます。

水溶性であるビタミンCは水に溶ける性質があるため、茹でる、煮るという調理法では煮汁にビタミンCが溶け出します。

その場合は、煮汁ごと食べるメニューを組む、または茹で時間は短時間にとどめできるだけビタミンCの損失を防ぐなど調理法の工夫で、犬の手作りごはんの栄養価を高めることができます。

またビタミンは他の栄養素の吸収にも大きく関わっています。

ミネラルであるカルシウムは、体に吸収されにくい成分ですが、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。

犬は人間の24倍のカルシウムを必要とします(体重1kgあたりの要求量で比較)。

魚のイワシはビタミンDを豊富に含みます。このイワシを骨まで柔らかく煮て食べさせることで、犬にとって吸収しやすいカルシウム源となります。

ぜひビタミンについて知り、犬の食事から犬の健康を守るメニュー作りに役立ててください。

犬の手作りごはん栄養学「脂肪酸」【初心者向け】

脂肪酸」は「脂質」の主成分。油脂の中にどのような「脂肪酸」が多いかにより、体に働きかける性質が変わります。

この記事では「脂肪酸」について解説します。

脂肪酸」を理解することで犬の手作りごはんに「どんな油を選べばいいか?」がわかります。以下のポイントに沿って解説します。

  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸
  • 必須脂肪酸

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。

飽和脂肪酸

パーム油、やし油、ラード、牛脂などに多く含まれます。常温で固形の油脂に多い脂肪酸です。

種類

  • パルチミン酸
  • ステアリン酸
  • ラウリン酸
  • ミリスチン酸
  • カプリン酸

主な働き

  • コレステロールを増やす
  • 中性脂肪を増やす
  • 血液の粘度をあげる

飽和脂肪酸は上記の働きから「体に悪い」と誤解されがちです。しかし「飽和脂肪酸」の摂取量が少なすぎても、脳出血リスクを高めるなどデメリットがあります。

「飽和脂肪酸」も適度に摂取することが健康維持には必要です。

多価不飽和脂肪酸

オリーブオイル、ごま油などの植物油、魚油に多く含まれる脂肪酸です。

酸化しやすく、劣化しやすいという特徴があります。構造により「n-3系」「n-6系」に分類されます。

n-6系

n-6系にはγ-リノレン酸アラキドン酸リノール酸があります。

犬が手作りごはんで摂取する量が多いのは「リノール酸」です。

リノール酸一般植物油(大豆油、コーン油、ごま油など)に多く含まれる。動脈硬化や高血圧の予防に。摂取しすぎると動脈硬化の原因になる。

n-3系

n-3系にはα-リノレン酸DHAEPAがあります。

【EPA】魚類の油脂(本鮪の脂身、ブリ、ハマチ、さんまなど)に多く含まれる。動脈硬化、高血圧、痴呆の予防、LDL(悪玉)コレステロールの低下

【DHA】魚類の油脂(マイワシ、本鮪の脂身、鯖、ブリ、さんまなど)に多い。抗血栓作用、脳卒中、高血圧、動脈硬化の予防LDL(悪玉)コレステロールの低下アレルギー症状の改善

EPA、DHAはいずれも魚に多く含まれます。

犬に魚を与えるメリットについては以下の記事でも解説しています、ご参照ください。

必須脂肪酸について

体にとって必要な脂肪酸だが体内で合成できないものを「必須脂肪酸」と呼びます。

必須脂肪酸は食事から摂取する必要があります。

犬は「リノール酸」と「α-リノレン酸」を材料に、体内でγ-リノレン酸、アラキドン酸、EPA、DHAを合成できます。

リノール酸」「α-リノレン酸」は食事から適度に摂取する必要があります。

リノール酸植物油に、α-リノレン酸月見草オイル魚類に多く含まれます。

脂肪酸まとめ

  • 脂肪酸にはそれぞれ特徴がある
  • 飽和脂肪酸は動物性油脂に多い
  • 不飽和脂肪酸は植物性油脂、魚油に多い
  • 体で合成できない必須脂肪酸を食事から摂取する必要がある

犬の栄養学を詳しく学びたい方は入門者向けのこちらの無料電子書籍も併せてどうぞ。

犬の手作りごはん栄養学「脂質」【初心者向け】

脂質は効率の良いエネルギー源。細胞膜やホルモンの材料にもなる、体に欠かせない物質です。

この記事を読むことで、脂質について以下のことを理解できるようになります。

  • エネルギー源としての脂質
  • 体の材料としての脂質
  • 脂質を多く含む食品の紹介

1:エネルギー源としての脂質

脂質は1gあたり9kcalと糖質、タンパク質と比べて高カロリーです。

脂質は体動かすエネルギー源として重要です。

例えば犬の「散歩」。

軽度の運動をまとまった時間続ける=有酸素運動です。犬の散歩は有酸素運動。この際、エネルギー源として使われるのが体に蓄えられている「体脂肪」です。

脂質は「高カロリーだから」と避けられる傾向にありますが、体にとっては必要なものです。

犬が元気に散歩を楽しむために、適度な脂質の摂取は必要です。

2:体の材料としての脂質

脂質が体の材料になる、というのは普段あまり意識されません。ここでは脂質が体の構成素として重要な役割を担っていることを解説します。

脂質は皮脂膜の材料になり、皮膚を守る

犬も私たちも皮膚の表面を「皮脂膜」で覆っています。

皮脂膜」は私たちの皮膚の表面から「水分」が蒸発することを防いでいます。この働きにより、私たちの皮膚内では適度な水分が保たれます

もしこの「皮脂膜」が無くなるとどうなるでしょうか?

皮膚の表面からどんどん水分が蒸発し、角質層の乾燥が進みます。

乾燥が進むと皮膚は外部からの刺激を受けやすくなります。外部からの異物も侵入しやすくなります

結果として、肌荒れ、かゆみ、湿疹などの原因となります。

皮脂膜は皮膚から分泌される「皮脂」から作られる「肌のバリア」です。

この「肌のバリア」の原料として、食事から摂取する適度な脂質が必要なのです。

脂質は「皮脂膜」の材料となる。

脂質は細胞を作る「細胞膜」の材料となる

犬も私たちも「細胞」がたくさん集まってできた「多細胞生物」です。

人の体で37兆個の細胞があるとされています。この細胞1つ1つの構成要素として使われているのが「リン脂質」という物質です。

リン脂質」は細胞を包む「細胞膜」を作るのに欠かせない物質です。

私たちの体の細胞37兆個が必要とする「リン脂質」。このリン脂質の材料として「脂質」は必要不可欠です。

細胞は犬・人ともに生命の基本要素です。その基本要素を作るのに不可欠な材料として「脂質」は存在しています。

このことからも脂質は「食事から適量」を取る必要があることがわかります。

脂質は「細胞膜」の材料になる。適度な摂取が必要。

脂質はホルモンの材料となる

私たち体内では様々な「ホルモン」が働いて体の機能を調整しています。

その中でも「ステロイドホルモン」と呼ばれるグループは、脂質を材料とする「ステロール類」から作られます。

ステロイドホルモンの代表は「副腎皮質ホルモン」。

このホルモンは「炎症の抑制」「糖質の代謝」「免疫反応」など様々な役割を担っています。

脂質は大切な「ホルモンの材料」になる。

3:脂質を多く含む食品

脂質は以下の食品に多く含まれます。

  • 油脂類(オリーブオイル、バターなど)
  • 肉類
  • 魚類

犬の手作りごはんにおすすめで、脂質を適度に含む食品については下記を参照してください。

脂質は犬の体に必要なものですが、一度に大量に脂質を摂取することは「急性膵炎」の原因になります。

これについては下記の記事も併せて参照してください。

脂質の性質を決めるのは「脂肪酸」です。脂肪酸の特徴を知ることで、犬の健康に最適な油脂の選び方がわかります。

脂肪酸については以下の記事で詳しく解説しています。

犬の手作りごはんの栄養、最低限押さえておきたい5種類の栄養素【初心者向け】

犬の手作りごはんを始めるにあたり。きちんと栄養バランスがとれた食事を用意できるか?と不安に思う人も多いはず。

そこでこの記事では最低限押さえておきたい「5つの栄養素」について解説します。この記事を読むことで、あなたは犬の手作りごはんに必要な「5つの栄養素」についてマスターできます。

栄養学は実はシンプル「五大栄養素」をマスターしよう

栄養学を必要以上に難しく考える必要はありません。なぜなら、私たち人間も学校の家庭科で少しだけ栄養について習っただけで、何となく栄養について知っているからです。そうした何となく、のレベルでも実際、結構うまくやっていけているのではないでしょうか?

糖質はエネルギーになる、タンパク質は体を作る。こうした簡単な知識があれば特に難しい専門知識がなくても、多くの人は自宅で料理をしています。それを食べて健康に生きている人の方が世の中には圧倒的に多いです。

犬の手作りごはんも同じに考えてみてください。もちろん犬と人は違います。なので犬に食べさせてはいけない食物についてはきちんと把握して、それを使用しないなどの配慮は必要です。

食べさせてはいけないものについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでご参考に:犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】

実は人と犬が必要とする栄養素は、ほぼ同じです。栄養素にはたくさんの種類がありますが、その中で特に多く必要で、1日必要量や詳しい働きがわかっているものを「五大栄養素」と呼びます。手作りごはんを作るにあたり、まず理解しておきたいのはこの「五大栄養素」です。

基本の五大栄養素を知ることで、栄養のアウトラインが見えてきます。栄養について不安を持っている人は、まず栄養を「知る」ところから始めましょう。

五大栄養素とは?

以下の5つの栄養素を指します。

  • 糖質
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル

一つ一つ見ていきましょう。

糖質

糖質より、炭水化物という言葉に馴染みがある方もいるかもしれません。これは「糖質」+「食物繊維」をまとめた言葉です。体内でエネルギーになるのは主に「糖質」の方なので、ここでは糖質について解説します。

糖質は消化吸収されやすく、体内に吸収されると速やかにエネルギーに変換されます。犬のエネルギー源として主になるものです。

特に脳はエネルギーのほとんどを糖質に依存しています。このため、糖質が不足すると脳の機能が低下してしまいます。

糖質から速やかにエネルギーを取り出すことは、疲労回復にもつながります。糖質不足は体がだるい、疲労感が取れないなど体の不調につながるので注意が必要です。

犬は肉食動物なので、エネルギー源として糖質は不要、との記述が時々見られますがこれは間違いです。

犬は雑食動物です。肉以外の食物にもよく適応します。糖質も問題なく消化・吸収し、エネルギーとして利用できます。

過剰摂取は肥満、虫歯につながりますが適量を摂取することは犬にとっても大切です。

糖質を体内でエネルギーに変えるには「ビタミンB1」が必須です。ビタミンB1が不足すると、糖質をうまくエネルギーに変えることができず、疲れの原因となります。

ビタミンB1は精製していない穀類の外皮、豚肉に多く含まれます。

体をよく動かす犬の食事には、糖質とビタミンB1をセットにしてメニューを組むと、疲労回復に役立ちます。

【糖質を多く含む食べ物】ごはん・パスタ・うどん・じゃがいも

脂質

脂質はエネルギーになる他、細胞膜、ホルモン、脳や神経を作る材料にもなります。

脂質は体の中で合成できないため、必ず食事から摂取する必要のある「必須脂肪酸」の供給源になります。

また、ビタミンの中には、油に溶ける性質のある「脂溶性ビタミン(A・D・E・K)」があります。これらのビタミンは脂質と摂取すると、体内での吸収率が上がります。

脂質は健康な皮膚を維持するにも重要です。犬の皮膚を覆う皮脂膜も脂質から作られます。

脂質はエネルギー値が高く、過剰摂取すると肥満につながるため敬遠されがちです。しかしながら、犬の体を健康に保つ上でも脂質は大切です。肉・魚・油脂類などから適量を摂取しましょう。

【脂質を多く含む食べ物】肉の脂身・オリーブオイルなどの油脂類・魚油

タンパク質

タンパク質はエネルギーになると同時に、体を作る材料として必須です。健康な体を維持してい久野に大切なものです。

タンパク質が不足すると、体の新陳代謝が低下します。免疫を支える抗体や免疫細胞もタンパク質でできているため、タンパク質不足は免疫低下にもつながります。

タンパク質を構成するのは「アミノ酸」と呼ばれる物質です。アミノ酸は様々な食物に含まれていますが、中には体の中で作ることができないので「必ず食事から摂取する必要があるアミノ酸」が存在します。これを「必須アミノ酸」と呼びます。

犬の必須アミノ酸は10種類あります:

アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン

必須アミノ酸をバランスよく摂取したい場合は肉・魚・大豆製品を食べるのがおすすめです。

【タンパク質を多く含む食品】肉・魚・大豆製品・乳製品

ビタミン

ビタミンは三大栄養素がエネルギーに変わるのを助けたり、体の中で行われる様々な代謝反応を助けます。

必要な量はわずかですが、体の中で作れないもの、作れたとしてもごくわずかなものなため、食事から摂取する必要があります。

極端に不足すると「欠乏症」、過剰に摂取すると「過剰症」が起こります。

手作り食ではこの「欠乏症」「過剰症」について心配する方が多いですが、バランスの良い手作りごはんメニューを食べている限り、過剰も不足も起こりません。

欠乏症は、ささみだけを食べて3ヶ月、というような「極端な食生活」をしない限り起こりません。過剰症も、ビタミンのサプリメントを誤って犬が大量に飲み込んだような場合に心配されるようなことです。

バランスの良い手作り食の作り方:材料の比率については手作りごはんとは?(作る場合の注意点・作り方を簡単に解説)【超初心者向け】で解説しています。

●ビタミンには「脂溶性」「水溶性」がある

脂溶性ビタミン」は油に溶ける性質があります。脂溶性ビタミンは「ビタミンA・D・E・K」です。油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。油に溶ける性質を利用して、体内に備蓄が可能です。その場合は多くが「肝臓」に貯蔵されます。

脂溶性ビタミン一覧

水溶性ビタミン」は水に溶ける性質を持ち、一度に多く摂っても不要な分は「尿」として排泄されます。そのため体内に貯めておくことはできません。毎日の食事から摂取する必要があります。水溶性ビタミンは「ビタミンB群・C」です。

*現在は多くのビタミンが成分名で呼ばれます。

水溶性ビタミン一覧

水溶性ビタミンのビタミンCは、茹でると煮汁に溶け出します。そのため、調理は短時間で済ませる、または汁ごと食べるメニューにすると栄養の損失を少なく抑えられます。

ビタミンCは抗酸化力の高い「ビタミンA・E」と組み合わせることで、相乗効果が期待できます。

ミネラル

ミネラルミネラルは「骨や体など体の構成成分になるもの体を作る」「体内の代謝活動を調整するもの」があります。

体に含まれる量によって「主要ミネラル」「微量ミネラル」に分けられます。

ミネラル一覧

まとめ

以上が五大栄養素です。

これらの栄養素は、「肉・魚類」「ごはんなどの糖質」「野菜」を偏りなく手作り食メニューに組み込むことで無理なく摂取できます。

私たちが普段、わざわざ栄養計算をせずに食事を作り、健康で生活できているように、犬も色々なものを偏りなく食べることで必要な栄養を摂ることができます。

基本を知った上で、難しく考え過ぎずに作って行くことが大切です。