犬の体の機能調整や維持に欠かせない成分です。
ビタミンには多くの種類がありますが、ここではまずビタミンとは何か?という基本を解説します。
ビタミンは三大栄養素をエネルギーに変える
糖質、脂質、タンパク質の3つの栄養素はエネルギーとして利用できるため三大栄養素と呼ばれます。
この三大栄養素をエネルギーに変えるため、体内では代謝が起こります。その際、酵素の助けを必要としますが、その酵素の働きをさらに助けるのがビタミンです。
酵素の働きを助ける物質を補酵素と呼びます。ビタミンの中には補酵素として働くものがあります。
体で作り出せないビタミンは食事から摂取する必要がある
体が必要とするビタミンはごく少量ですが、体で作り出せないビタミンは必ず食事からとる必要があります。
例えば糖質の代謝にはビタミンB1が必須です。糖質を多く摂取するとビタミンB1がどんどん消費されます。
ビタミンB1が不足するといくら糖質を摂取しても効率よくエネルギーに変えることができません。
そのため、体がだるい、疲れやすくなるなどの体調不良が起こります。
ビタミンは不足すると体調に不調を引き起こす物質でもあります。
さてこのように言うと「手作りごはんで犬に必要なビタミンをちゃんと摂取することができるだろうか?」と心配する方も多くいます。
結論から言うと、ビタミンは肉、野菜、穀類など様々な食材に含まれているので「極端な偏りなく」色々食べていれば、ビタミンが不足することはありません。
偏食をしないことが結果としてリスクヘッジにつながります。
ビタミンは13種類ある
13種類あるビタミンは水溶性、脂溶性に分けられます。
脂溶性ビタミン
油に溶ける性質のあるビタミンです。
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
体脂肪に溶け込み体に蓄積される性質を持ちます。
そのため過剰に摂取すると過剰症につながるのでは?と心配されますが、通常の食生活では過剰症の心配はありません。
過剰症はサプリメントの過剰摂取や、特定の食品のみに偏った食生活を長く続けることで報告される例がほとんどです。
犬の場合、レバーに含まれるビタミンAが過剰症を起こすのではないか?と心配されることがあります。
これについては下記の記事に詳しく書きましたので参考にしてください。
水溶性ビタミン
水に溶ける性質のあるビタミンです。
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ナイアシン
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- 葉酸
- パントテン酸
- ビオチン
- ビタミンC
水に溶けやすい分、一度に大量に摂取しても不要な分は尿として排泄されます。
ビタミンの特性を知り、上手に手作りごはんに活用しよう
ビタミンには様々な特徴があり、どのような食材に含まれているかも異なります。
そこで飼い主さんがビタミンの特性を知り、食材の選択や調理に生かすことが、犬の食事の栄養バランスをとることにつながります。
例えば、脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を生かし、ビタミンA、Eを多く含む緑黄色野菜は油と炒めることでビタミンの吸収率を上げることができます。
水溶性であるビタミンCは水に溶ける性質があるため、茹でる、煮るという調理法では煮汁にビタミンCが溶け出します。
その場合は、煮汁ごと食べるメニューを組む、または茹で時間は短時間にとどめできるだけビタミンCの損失を防ぐなど調理法の工夫で、犬の手作りごはんの栄養価を高めることができます。
またビタミンは他の栄養素の吸収にも大きく関わっています。
ミネラルであるカルシウムは、体に吸収されにくい成分ですが、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。
犬は人間の24倍のカルシウムを必要とします(体重1kgあたりの要求量で比較)。
魚のイワシはビタミンDを豊富に含みます。このイワシを骨まで柔らかく煮て食べさせることで、犬にとって吸収しやすいカルシウム源となります。
ぜひビタミンについて知り、犬の食事から犬の健康を守るメニュー作りに役立ててください。