野菜

犬におすすめ「かぼちゃ」【初心者向け】

緑黄色野菜であるかぼちゃは、豊富なビタミン類を含む犬におすすめの野菜です。

ほくほくとした甘みを好む犬も多く、手作りごはん初心者の方に使いやすい野菜。

この記事ではかぼちゃの栄養価犬に与えるメリットについて解説します。

かぼちゃはビタミン類の宝庫、ぜひ活用を!

かぼちゃには健康に役立つビタミン類が多く含まれます。

体内でビタミンAに変換されるβ-カロテン

かぼちゃにはβ-カロテンが多く含まれています。

β-カロテン自体に抗酸化作用があることと、犬の体内で必要に応じてビタミンAに変換されることが特徴です。

ビタミンAは目や粘膜の健康に欠かせないビタミンです。

抗酸化作用の高いビタミンCも豊富

かぼちゃはビタミンCも多く含みます。

ビタミンCは抗酸化力の高いビタミンです。

かぼちゃにはこの他に、ビタミンA、Eも含まれています。

抗酸化ビタミンは同時摂取すると相乗効果を発揮し、体内の酸化を防ぐと言われています。

ほくほくとした甘さは犬も好む

犬の舌は甘みを感じる細胞が最も多く存在しています。

そのため「甘み」の強いかぼちゃを犬は好む傾向があります。

まとめ

甘みが強く、ビタミン類も豊富なかぼちゃは犬にもオススメの野菜です。

ひき肉と一緒に煮る、小さくカットして炒めるなど甘みを引き出す調理法で是非食べさせてあげてください。

犬におすすめ白菜!【初心者向け】

柔らかく癖のない白菜は、犬の手作りご飯初心者の方でも失敗が少なく使いやすい野菜です。

この記事では白菜の栄養学的メリットについて解説します。

95%が水分!ビタミンCも豊富な白菜

白菜は水分が多く、他の素材の味を良く吸い込む野菜です。

ビタミンCが豊富なのでスープにして汁ごと食べさせるのがおすすめです。

カルシウム、カリウム、マグネシウムなどミネラル類も豊富。

加熱すると旨味が増す

白菜は加熱するとグルタミン酸が増えて旨味が増します。

手作りごはん初心者の場合は白菜は加熱して与えるのが安心です。

肉、魚などの動物性の素材と合わせることで味が染み込み、手作りごはんにまだ慣れていない犬でも抵抗なく食べやすいメニューに仕上がります。

甲状腺機能に影響があるって本当?

白菜はアブラナ科に属する植物です。

「アブラナ科の野菜は甲状腺機能障害の原因になるので食べさせない方が良いって聞いたけど?」

そんな不安を感じる飼い主さんもいると思います。

アブラナ科の植物を犬に与えることについてはこちらの記事に詳しく書きましたのでご参考に。

アブラナ科の植物がなぜ、犬にダメと言われるのか?」を参照してください。

結論から言うと、健康な犬に常識の範囲内の量を与える分には何の問題もありません。

まとめ

  • 淡白な味わいの白菜は犬の手作りごはん初心者におすすめ
  • 加熱することで旨味が増す
  • 肉、魚など動物性の食材との相性も良い
  • アブラナ科の植物を健康な犬が食べる分には問題なし

犬にほうれん草ってあげてもいいの?【初心者向け】

「犬にほうれん草ってあげていいのでしょうか?結石症の原因になると聞きました」

犬にほうれん草を与えることに躊躇する飼い主さんは多いです。

ほうれん草は鉄分を多く含み、抗酸化作用のあるβ-カロテンも豊富です。

犬にとってメリットの多い野菜なので「結石症に原因になるかも?」という漠然とした理由で避けるのはもったいないですね。

この記事ではほうれん草について正しく理解し、犬の手作りごはんに上手に生かすため以下の知識について解説します。

  • ほうれん草が結石症の原因になる?の嘘・本当(シュウ酸カルシウム結石症)
  • ほうれん草の栄養価

犬がほうれん草を食べると結石症になるの?

「犬にほうれん草を与えると結石症になるから与えてはダメ!」

そんな話を聞いたことはありませんか?

この話は少し極端すぎます。誤解を招く言い方でもあるのでここで情報を整理します。

結石症について、まずは理解しよう

はじめに結石症について。犬の結石症、といった場合「腎臓、尿管、膀胱、尿道などに石状のかたまりができる病気」を指します。

犬が患う結石症の代表は2つです。

ストルバイト結石症

犬に最も多い結石症です。ストルバイト結石症は感染症が原因で起こります。

尿がアルカリ性に傾くとストルバイト結石ができやすくなります。そのため治療の一環として「尿を酸性に傾ける療法食」が処方される場合があります。

尿が酸性になることでストルバイト結石が溶けやすくなるんですね。

シュウ酸カルシウム結石症

シュウ酸カルシウム結石症は野菜に多く含まれる「シュウ酸」と「カルシウム」が結合してできる結石です。

シュウ酸自体は野菜に多く含まれる「アク」です。茹でることで減らすことができます(アク抜き)。

食事内に「シュウ酸」と「カルシウム」が適度に含まれていると、シュウ酸とカルシウムは消化管内で出会い、結合します。

こうしてできた「シュウ酸カルシウム」は腸から体内に吸収されることはなく、消化管を通過して便に排泄されるため問題は起こりません。

食事内にシュウ酸の量が多く、カルシウムが少ない場合にシュウ酸は腸管より吸収されます。

腸管から吸収されたシュウ酸は尿中へ排泄されます。その際、尿の中にカルシウムが存在するとそこで結合が起こり「シュウ酸カルシウム」が作られます。

【ポイント1】食事内に含まれる「シュウ酸>カルシウム」の場合にシュウ酸は体内に吸収される。吸収されたシュウ酸は尿の中に排泄され、カルシウムと結合する。

つまり、ほうれん草を食べる際、十分なカルシウムを同時に食べることで「シュウ酸カルシウム結石症」の予防になるということですね。

ここがまず大切な一つ目のポイントになります。

シュウ酸カルシウム結石症は「ストルバイト結石症」の療法食が原因で起こる場合もある

シュウ酸カルシウム結石は酸性の尿で作られやすいという性質を持ちます。

そのためストルバイト結石の治療として「尿を酸性に傾ける療法食」を摂取することがシュウ酸カルシウム結石症を作りやすい環境を作る場合があります。

これについては尿の酸性・アルカリ性コントロールを獣医師と相談しながら適切に行うことが大切です。

【ポイント2】ストルバイト結石症の治療で、尿を酸性に傾けることでシュウ酸カルシウム結石ができやすくなる場合がある。

このように、結石症の原因は複雑です。

単純に「ほうれん草を食べたから結石症になるんだ!」というわけではありません。

犬の手作りごはんを作る際には、こうした「こうだと言われていることの背景」も正しく理解しておくことが大切です。

そのように言われる背景を正しく理解しておけば、やみくもに特定の食材を恐れることにはなりません。

犬と人間は違います。食べて良いもの、悪いものが異なるのは当然のこと。それであれば、犬の食について正しい知識を身につけ、怖がるのであれば「正しく怖がりましょう」。

こうした「犬に良いとされている、悪いとされている食べ物」についてより理解を深めたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。

ほうれん草についての結論

ほうれん草は健康な犬に与えても問題ありません。

健康な犬にほうれん草を与えることが、直接結石症の原因になるわけではありません。

ほうれん草は茹でることで「アク抜き」ができます。

シュウ酸は水に溶ける性質を持ちます。しっかり茹でてアク抜きをすることでシュウ酸を減らすことができます。

ただし、すでに結石症を患っている、過去に患ったことがある、という場合は悪化、再発防止のためにほうれん草は控えましょう。

ほうれん草の栄養価。犬に与えるメリット。

ほうれん草はを多く含みます。造血作用のある葉酸も多く含むため、貧血防止のためぜひ摂取したい食材です。

野菜に含まれる鉄は通常、体に吸収されにくいのですがビタミンCと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます

ほうれん草にはビタミン Cが豊富です。

他にも抗酸化作用の高いβ-カロテンを多く含みます。ビタミンB1、B2、E、Kなど他の多くのビタミン類も含んでいます。

まとめ

  • 鉄分を多く含むほうれん草は犬の体にも良い食材
  • 与える際はしっかりアク抜きを
  • 健康な犬に与える分には問題なし
  • 結石症の治療中、過去に患った場合は避ける
  • ビタミンCと一緒に食べると鉄分吸収がUP!

犬にピーマンをあげても大丈夫?【初心者向け】

ピーマンは爽やかな苦味のある緑色のタイプから、果肉は甘くジューシーなパプリカまで様々な種類があります。

犬もピーマンは大好きです。与えても問題ありません。緑黄色野菜としてβ-カロテンも豊富。そんなピーマンを犬に食べさせるメリットについて、この記事では解説していきます。

パリパリと歯ごたえのある緑黄色野菜

犬にとってはパリパリと歯ごたえのあるピーマンは噛む楽しみも味わえる野菜です。

油と一緒に摂取でβ-カロテン吸収率UP

抗酸化力に強い「β-カロテン」を豊富に含むピーマン。おすすめの調理法は油炒めです。

油と一緒に摂取することでβ-カロテンの吸収率を高めることができます。

色によって異なるビタミンC含有量

ピーマンが大きく熟したものがパプリカです。パプリカのビタミンC含有量は未熟な緑色のピーマンに比べて2倍になります。

ピーマンのビタミンCは壊れにくい特徴があります。

甘みを好む犬にはパプリカがおすすめ

パプリカは臭みが少なく甘いので、野菜を食べ慣れていない犬でも食べやすいのが特徴です。

薄くスライスして炒める、茹でるなど加熱して与えましょう。

まとめ

  • 犬に緑黄色野菜のピーマンはおすすめ
  • β-カロテンの吸収率 UPに油と一緒に調理を
  • 熟した果実であるパプリカは甘みが強く、犬も好む

犬に「きゅうり」はあげていいの?【初心者向け】

犬に野菜を与えてもいいのか?とためらう手作りごはん初心者の方は多くいます。

野菜そのものを犬に与えてはいけないというものではありません。与えて良い野菜と、与えてはいけない野菜があります。

詳しくは下記の記事も併せて参照のこと。

ここでは初心者の方でも使いやすい「きゅうり」について解説します。

むくみにも良い夏野菜の定番です。この記事ではきゅうりの栄養学的メリットについて解説します。

水分補給に!犬にきゅうり

きゅうりは夏野菜の代表。カリウムと水分を多く含み、利尿作用に優れます。むくみ解消におすすめの野菜です。

ビタミンC、Eを含み、犬の水分補給にぴったりな夏野菜です。

おやつ代わりに生で与えてもOK!

きゅうりのポリポリとした食感は犬も大好きです。おやつ代わりに、夏バテ防止の水分補給にもおすすめです。

炒め物、スープにしても良し

肉と一緒に炒め物のしても、卵と一緒にスープにしてもきゅうりは美味しく食べられます。

まとめ

  • 淡白で食べやすいきゅうりは手作りごはん初心者におすすめ
  • 生でも、加熱してもOK
  • きゅうりの95%は水分。夏の水分補給におやつ代わりにしても良い

「さつまいも」を犬に食べさせても大丈夫?【初心者向け】

「甘みの強いさつまいも。犬のご飯やおやつづくりに使いたいけど大丈夫?」

さつまいもは食物繊維が多く、便秘解消にも役立つ食材です。犬の食事に取り入れている飼い主さんも多く、おやつとしても人気があります。

この記事では犬にさつまいもを与える場合の栄養学的メリットについて解説します。

犬に「さつまいも」を与える栄養学的メリット

さつまいもの特徴は甘さ食物繊維。そしてビタミンCです。

犬は甘みが大好き!

犬の舌にある味を感じる受容体で最も多いのは「甘みを感じる細胞」です。

このことから犬は「甘みを好む」傾向が見られます。

さつまいもはイモ類の中でも時に「甘みが強い」作物です。

食が細い犬、食べることにあまり興味がなくやせ気味の犬のおやつに取り入れることで、食事量を増やす効果も期待できます。

食物繊維が豊富

さつまいもに含まれる食物繊維はとても豊富。便秘予防や改善効果が期待できます。

犬は人と比べて大腸での食物の滞在時間が短いとされています。

それでも食物繊維が腸の中で有害物質を吸着して排泄する、腸を刺激して排便を促すことで腸の健康維持に役立つことがわかっています。

犬も食物繊維のメリットも受けられる、ということですね。

イモ類トップクラスの「ビタミンC」含有量

さつまいものビタミンC含有量は多く、イモ類ではトップクラスです。

そのほかにもビタミンEやカリウムを豊富に含みます。

さつまいものビタミンCもジャガイモ同様、デンプンに守られているため加熱しても壊れにくい特徴があります。

ジャガイモに関する記事はこちら。

まとめ

  • 犬にさつまいもは与えても大丈夫
  • 食物繊維が豊富で便秘予防に
  • ビタミンCの含有量はイモ類トップクラス!
  • 犬は甘みが大好き。食いつきを良くするために食事に加えても

犬に「ジャガイモ」はあげてもいいの?【初心者向け】

「ホックホクのじゃがいも、手作りごはんの材料に使いたいけど犬にあげても大丈夫?」

犬にジャガイモを食べさせても問題ありません。

ジャガイモは「大地のりんご」の別名を持つほどビタミンCが豊富。上手に利用することで犬の体にも大きなメリットがあります。

以下、解説です。

  • ジャガイモの栄養価
  • ジャガイモを与える際の注意点(ソラニン中毒)

ジャガイモの栄養価

ジャガイモの主成分は「デンプン」。ビタミンCカリウムも豊富です。

ビタミンCは熱に弱い特徴がありますが、ジャガイモのビタミンCはてんぷんに守られており、加熱しても壊れにくい

食物繊維も豊富です。便秘改善、予防にも。

与える際の注意点

安全に与えるための注意点2つです。

ソラニン中毒

ジャガイモは日光に当たると緑色になります。

この緑色の部分、および芽には「ソラニン」が含まれています。ソラニンは「天然毒素」の一種で誤って食べると腹痛、下痢、嘔吐、吐き気、めまいなどの症状が現れます。これをソラニン中毒と呼びます。

犬に与える際は緑色の箇所、および芽は必ず取り除きましょう。

犬に与える場合は十分に加熱しよう

ジャガイモのデンプンは、十分に加熱することで甘みが引き出され、消化しやすくなります。

まとめ

  • 犬にジャガイモを与えても問題ない
  • ただし、緑色の部分、芽は必ず取り除く
  • 十分に加熱し、犬が消化しやすい調理の工夫を

犬に「大根」を食べさせても大丈夫?基本的に問題なし【初心者向け解説】

大根は犬に与えても問題ない野菜の一つです(ただし、甲状腺機能低下症で服薬中の場合は要注意。後ほど解説)。

大根の根の部分には、ほとんど栄養がありません。栄養豊富なのは「」の方です。大根は特性を知って上手に利用することが大切です。

この記事では

  • 大根の部位別栄養素の解説
  • 大根を犬に与えるメリット
  • 与える際の注意点

についてお話しします。

大根の部位別栄養素

大根は部位によって含まれる栄養素が大きく異なります。特性を知って利用するのが賢いやり方です。

大根の「葉」はビタミン類の宝庫

大根の葉には「ビタミンC」「β-カロテン」「カルシウム」が含まれます。

ビタミンC、β-カロテンは共に「抗酸化力」の高い成分。一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。

葉は硬いので、与える際は細かく切って炒める、柔らかく茹でるなど犬が消化しやすいよう工夫が必要です。

「根」の部分は「皮」に栄養がある

つい皮を厚く剥きがちな大根ですが、皮には毛細血管を強くすると言われる「ヘスペリジン」が含まれます。

体に良い成分が多く含まれている皮も柔らかく煮るなどして、丸ごと食べるのがおすすめです。

大根を犬に与えるメリット

大根の「」の部分は淡白で、合わせる素材の味や香りが染み込みやすいという特徴があります。

根の部分は水分はほとんどで栄養価としてはあまり高くありませんが、食物繊維が豊富です。

そのため便秘がちな犬の食生活改善に、肉や魚と一緒に炊いた大根を食べさせるのはおすすめです。

野菜があまり好きでない犬でも、肉や魚の味がしみた大根であれば美味しく食べられます。

」の部分はビタミン類が豊富です。

大根は部位によって味が異なる

葉に近いところは甘みがあるので生食に向きます。先端部は辛味が強く、犬の生食には向きません。中間部は辛さも甘さも中間になります。

犬に大根を与える際の注意点

大根を与える際の注意点を2つ紹介します。

大根を生で与えていいの?

生で与えること自体に問題はありません

ただし大根は部位によって辛味が大きき異なる野菜です。辛味が強い先端部は生食には向きません。

また大根は繊維質が多いため、一度に大量に食べると消化不良の原因になります。

手作りごはん初心者の方は、まずは柔らかく煮た大根を少量からスタートするのがおすすめです。

慣れてきたら、サラダ感覚で大根を少量ずつ生で与えることを試してみてください。

甲状腺機能低下症で服薬中の場合は要注意

犬が甲状腺機能低下症で服薬中の場合、大根には注意が必要です。

その場合は事前に、担当獣医師に相談してください。

何故、甲状腺機能低下症の犬は「大根」に気をつけた方が良いか?については「ブロッコリー」の解説記事内の「アブラナ科の植物」の項目で解説しています。

まとめ

  • 犬に大根を与えることは基本的に問題なし
  • 皮に栄養があるので、柔らく調理して皮ごと食べよう
  • 部位によって辛味に差がある
  • 甲状腺の病気を抱える犬は獣医師に要相談

大根を使ったレシピはこちらもどうぞ

犬に「にんじん」を与えても大丈夫?【初心者向け解説】

にんじんは「β-カロテン」を含む緑黄色野菜の代表。甘みが強く、犬も好む野菜です。

にんじんを犬に与えることは問題ありません。加熱してみ、生でも、お好みでどうぞ。

ただしせっかくの栄養を無駄にせず、しっかり吸収するためには調理法にひと工夫欲しいところです。

この記事では

  • にんじんを犬に与えるメリット栄養価の解説
  • にんじんの栄養素をしっかり取り込むための「調理法

についてお話しします。

犬に「にんじん」を与えるメリット

にんじんの鮮やかな色を作っているのはカロテノイドという色素です。にんじんに含まれるのは「β-カロテン」。高い抗酸化力を持つ色素です。

β-カロテンを摂取するメリット

β-カロテン」には抗酸化作用、免疫賦活作用があることが報告されています。

また「β-カロテン」は犬の体内で必要に応じて「ビタミンA」に変換されます。

ビタミンA」は皮膚や粘膜、目の機能を強化するビタミンです。

ビタミンA」はレバー類に多く含まれる脂溶性ビタミンです。そのため、過剰摂取による「過剰症」を手作りごはんを実践する飼い主さんは心配されることが多いようです。

レバーを少々多く食べたからといって、犬が即ビタミンA過剰症に陥ることはまずありませんが「どうしても心配で気になる」という場合は、β-カロテンを多く含む「にんじん」がお勧めです。

β-カロテンは体内で「必要に応じて」ビタミンAに変換されるため、過剰症の心配がないからです。

レバー類と「ビタミンA過剰症」の関係については別記事で詳しく解説しています。気になる方はご参考に。

にんじんの「葉」や「茎」は抗酸化ビタミンの宝庫

にんじんの体に良い栄養素は何も根の部分だけではありません。損をしないためのポイントをしっかり押さえましょう。

葉、茎の部分には抗酸化ビタミンである「ビタミンC」「ビタミンE」が豊富に含まれています。

もし葉付きにんじんを手に入れた場合は、早く気も捨てず、細かく刻んで炒めるなど「犬が消化しやすい」調理法で犬にも是非食べさせてあげてください。

にんじんの栄養素を効率よく取り入れる調理法・注意点

にんじんは料理法を間違えると損をすることがあります。

皮の部分に栄養がたっぷり!

にんじんは「」の部分に抗酸化成分を多く含みます。そのため、皮を厚く剥いてしまうとせっかくの成分を捨ててしまうことに。

皮は薄く剥くか、気にならないのであればそのままで調理します。

油と一緒でビタミンの吸収率UP!

β-カロテン、ビタミンEは油と一緒に調理すると吸収率が上がります。

まとめ

  • にんじんは抗酸化ビタミンを多く含み、犬が食べても安心
  • 栄養素を無駄にしないためにも、調理法には注意が必要
  • 皮は薄くむく、または皮をむかずそのままで
  • 油と一緒に調理すると、脂溶性ビタミンの吸収率がUP

犬に「ブロッコリー」ってあげて良いの?【初心者向け解説】

ブロッコリーはビタミン・ミネラルが豊富な野菜。犬の手作りごはんにもおすすめです。

一方で「ブロッコリーはアブラナ科の野菜なのであげない方がよい」「ブロッコリーにはシュウ酸カルシウムが多いのであげない方がよいのでは?」という疑問を持つ手作りごはん初心者の方もいます。

この記事では、以下のポイントに絞ってブロッコリーについて解説していきます。

  • 犬にブロッコリーを与えるメリット(栄養価の話)
  • アブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないは本当か?
  • シュウ酸カルシウムが多いから、ブロッコリーを食べると結石症になる?

犬にブロッコリーを与えるメリット

ブロッコリーの栄養価から「ブロッコリーを犬に与えるメリット」を解説していきます。

三大抗酸化ビタミンで老化防止に

ブロッコリーは「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」の三大抗酸化ビタミンを含みます。

ビタミンには「似た性質を持つものを同時に摂取すると、相乗効果でお互いの働きを高め合う」という特徴があります。

特にブロッコリーの「」は緑色の濃い「」の部分と比べると約3倍のビタミンCを含みます。

」はそのままだと固く食べにくいですが、皮を厚くむいて茹でると柔らかく、甘みも強い部位です

栄養豊富な「」も是非、皮を除きやわらく調理して犬に食べさせてください。

カルシウム、鉄分などのミネラル分も豊富

ブロッコリーには骨の健康維持に大切なカルシウム、貧血防止に役立つ鉄分も含まれています。

食物繊維も豊富、便秘予防に

ブロッコリーには多くの食物繊維が含まれています。食事量が少なく便秘がちな犬は食物繊維を適量摂取することで便秘改善効果が期待できます

アブラナ科の野菜は犬に与えてはいけないの?

ブロッコリーはアブラナ科の植物です。同じグループにキャベツ、大根があります。

ネットで検索すると「犬にアブラナ科の植物はNG」と書かれた記事が多くあります。

「アブラナ科の植物は犬に与えない方がいいと聞いたけど、実際のところどうなの?」

そう疑問に思う方も多いでしょう。これについて解説します。

アブラナ科の植物がなぜ、犬にダメと言われるのか?

アブラナ科の植物には「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。

この成分は食物中の「ヨウ素」の体への取り込みを阻害します。

ヨウ素」は「甲状腺ホルモン」を作る材料になります。その材料が不足し、体は必要な甲状腺ホルモンを産生できなくなります

このことが「甲状腺機能低下症」につながる、というのが「アブラナ科の植物は犬に与えてはいけない」と言われる原因としてあげられます。

でもちょっと待って。ブロッコリー以外にもありますよ?ゴイトロゲンを含む野菜。

アブラナ科の植物の代表はブロッコリー!ブロッコリーは「ゴイトロゲン(要素の吸収を妨げ甲状腺腫をおこすものの総称)」を含むからだめ!というのが「あげてはいけない説」の根拠です。

しかしブロッコリー以外の食品にも「ゴイトロゲン」は含まれているのです。

以下、そのリスト。

  • 大豆
  • 亜麻仁油
  • さつまいも
  • いちご
  • なし
  • キャベツ
  • 白菜
  • ほうれん草

食品によって含有量は様々ですが、上記の食品も「ゴイトロゲン」を含みます。

もし「ゴイトロゲン」が少量でも犬や人の体に影響を与え、甲状腺機能低下症を発症させる成分であれば、これらの食品についても当然注意が必要なはずです。

でも実際にはどうでしょう?

さつまいもは市販の犬のおやつの材料に好んでよく使われます。

亜麻仁油も一時期大ブームになりました。体に良いと聞き、犬に与えていました!という方も多いはず。

そうした食品を摂取した結果、どうなったでしょうか?

犬の甲状腺機能低下症は増加したでしょうか?答えは「いいえ」です。

結論:常識量摂取した食品に含まれる「ゴイトロゲン」は問題なし(ただし注意事項あり)

常識的な食事量から摂取した「ゴイトロゲン」が健康な犬の甲状腺機能低下症の原因になることはありません。

実際に食事が原因で甲状腺機能低下症になった事例も存在しません

もし起こすと知ればそれは、高濃度の「ゴイトロゲン」を短期間で摂取させるなど動物実験での話。

犬の手作りごはんの場合、甲状腺機能を低下させるほどの量の「ゴイトロゲン」を食品から摂取するのは無理があります。

結論:健康な犬が常識の範囲内で食べる分には問題なし。

甲状腺の病気を患っている場合は要注意

健康な犬であれば、常識の範囲内でブロッコリーを手作りごはんに使うのは問題ありません。

ただし甲状腺機能低下症で服薬中の場合、問題が起こる可能性があります。該当する場合は必ず担当獣医師へ相談を。

ブロッコリーに含まれる「シュウ酸」が結石症の原因になるのでは?

ブロッコリーに限らず野菜類を犬に与える際、必ずネット記事上で「シュウ酸」について注意するように書かれています。

実際、野菜を食べることが「結石症」の直接の原因になるような、誤解を招く内容も多く見られます。

なのでここでは「結石症」と「シュウ酸」の関係を整理しながら解説します。

犬の「シュウ酸カルシウム結石症」とは?

結石症は腎臓、尿管、膀胱、尿道などに石状のかたまりができる病気です。

シュウ酸カルシウム結石を発症する要因は実はよくわかっていません。遺伝、性別、食事、性ホルモンとの関係などが考えられています。

シュウ酸は野菜に多く含まれる成分で、カルシウムと容易に結合しやすい性質があります。

そのためシュウ酸を多く含む食品とカルシウムを同時摂取すると、腸内で互いに結合し「シュウ酸カルシウム」となります。この場合、できたシュウ酸カルシウムは便として排泄されるため問題は起こりません。

シュウ酸カルシウム結石症が起こりやすい環境

犬に多い結石症に「ストルバイト結石」があります。この治療の一環として「尿を酸性に傾けてストルバイト結石を溶かす」という方法があります。

実は「シュウ酸カルシウム結石」は尿が酸性になるとできやすくなります。

そのため「ストルバイト結石の再発予防の療法食を食べ尿を酸性に傾けていために今度は「シュウ酸カルシウム結石」になってしまっうことがあります。難しいですね。

シュウ酸カルシウム結石症は、単に野菜を食べただけで発症するわけではありません。様々な要因があってのことです。

健康な犬が常識の範囲内で食べる分には問題ありません。

シュウ酸は茹でることで半分以下に減らせる

健康な犬が適量の野菜を食べること自体が、直接犬の「シュウ酸カルシウム結石」の原因になるわけではありません。

一方で、一度シュウ酸カルシウム結石症を患い「予防」のために気をつけたい、という場合は「茹でる」ことがおすすめです。

ほうれん草の場合で、おひたしにするとシュウ酸カルシウムを最大50%程度まで冷えらせることがわかっています(3分間茹でた場合)。

シュウ酸カルシウムが気になる場合、茹でれば減らせる。

結論:ブロッコリーは犬に問題なし

どんな食材にも「大量に摂取すると問題になる可能性がある成分」は含まれます。

ポイントは「どのくらい食べたらそうなるか?」という量の問題です。

量の問題を抜きに「良い・悪い」は言えません。

またその成分が体にどう作用して問題になるのか?という「仕組み」を知らなければ、対応方法がわかりません。

その成分がただ含まれている、というだけで闇雲に特定の食品を怖がったり、避けるのは意味がありません。

どのくらい食べたら危険なの?」「どういう仕組みでその症状は起こるのか?」をきちんと理解した上で判断するのが正解です。

こちらの記事も併せて参考に。本当に危険なものとそうでないものを知ろう。

そもそも、野菜自体犬にあげて良いの?という方はこちら。