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犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬に野菜ってあげていいの?」これって手作りごはんをやっていく上で永遠のテーマとも言える悩みですよね。

結論から先に言うと「玉ねぎなど、犬に明らかに害のある食べ物以外は基本OK」です。

ただし条件付きOKの野菜もあるため、野菜に関しては単純に「良い・悪い」が言えません。

「犬は肉食動物なので野菜は体に負担」と言うのは明らかに間違いです。ネット上に多い記述なので要注意。

この記事では「犬と野菜の関係」を正しく解説し、与える際の注意点も併せてお話しします。

大雑把な結論:犬に野菜は問題ない。ただし…

野菜といってもいろいろありますよね。

犬のとってダメな野菜をまずしっかり理解しましょう。

ネギ類はNG×

長ネギ、玉ねぎなどの「ネギ類」に含まれる成分(アリルプロピルジスルフィド)は犬が許容量を摂取すると「玉ねぎ中毒」を引き起こします。

参考:犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】

玉ねぎ中毒」になると赤血球が壊れ、中の色素が尿に漏れ出てきます。赤〜濃いオレンジ色に近い「ヘモグロビン尿」がでます。この症状があるときはすぐに動物病院へ。

きのこ類は条件付き△

手作りごはんの本やネット上のレシピには「きのこ」を犬の手作りごはんに勧めている記事もあります。しかし犬によっては「きのこ」を与えると嘔吐する場合があります。

きのこは犬にとって消化しにくい食物です。与える際はごく少量に止めるか、細かく刻んで少量から始めて様子を見ましょう。

尚、きのこ類は絶対に「生」で与えてはいけません。

きのこの生食はヒトでも食中毒の危険があります。

犬に野菜がダメって何故言われるのか?

犬は肉食動物なので「野菜」は消化に悪い、適さないという説をネット上でよく見かけます。

これは明らかに誤りです。以下解説。

犬は雑食動物です

犬の祖先は狼、狼は肉食、だから犬も肉食、という風に誤解されています。これは誤り。

犬は雑食動物。肉も食べますが、穀物食、野菜にもよく適応します。

野菜を犬は消化できないから負担は「間違い」×

野菜に含まれる「食物繊維」を消化し、自分のエネルギーとして利用できるのは草食動物です。

草食動物は消化管に微生物を飼っていて、その微生物に食物繊維を分解してもらい、その副産物をエネルギー利用しています。

犬も人も自前の消化酵素では食物繊維を消化できません

犬・人でも腸内細菌がごくわずかに食物繊維を分解し、そこから微量なエネルギー利用も行われているようです。それでも必要なエネルギーをまかなうほどではありません。

食物繊維のメリットはむしろ「消化できないこと」にあります。

消化できないからこそ、腸内で膨らみ排便を促す、腸内の不要物を吸着し排泄を促すなど様々なメリットがあります。

消化できない=体に負担とは限らない

ということです。

初心者におすすめの「野菜」5種

犬の手作りごはん初心者でも扱いやすい「犬におすすめの野菜」を5つ厳選してご紹介します。

1:白菜

柔らかく癖のない「白菜」は初心者におすすめです。柔らかく切り、食べやすい大きさに切って与えます。

他の素材の味が染み込みやすいので、肉と合わせると野菜が初めての犬でも抵抗なく食べられます。

2:にんじん

緑黄色野菜のにんじんはβ-カロテンが豊富です。β-カロテン抗酸化力が高く体内の酸化防止におすすめです。

犬は甘みを好みます。にんじんを柔らかく煮て甘みを引き出すと犬にも食べやすい。食べやすい大きさに切って与えます。

3:きゅうり

水分が多く、ぽりぽりとおやつ代わりに食べる犬も。暑い時期の水分補給にも最適です。

与える際は薄くスライスして。生でも、炒め物でもOKです。

4:キャベツ

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(通称:キャベジン)」が豊富。「ビタミンC」も豊富で特に芯の近くに多く含まれます。

火を通すと柔らかくなります。手作り食にまだ慣れていない犬には加熱して与えます。野菜に慣れている犬であれば、生でも加熱でも。

キャベツの解説記事はこちら:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

5:トマト

トマトの酸味や甘みを好む犬は多く、生で、トマト煮込みでと手作り食に活躍するのはトマトです。

トマトには「三大抗酸化ビタミン」と呼ばれる「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」が多く含まれています。

トマトの赤い色素である「リコペン」はβ-カロテンよりもさらに強い抗酸化力が備わっています。

生で、加熱でも犬のごはんに使えます。缶詰を使えば通年トマトを利用でき、便利です。

トマトの詳しい解説がこちらを参考に:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】

まとめ

  • 「犬に野菜はダメ」ではなく「ダメな野菜もある」が正解
  • 消化できないから体に悪いというわけではない
  • ダメな野菜はその理由も知っておこう
  • 初心者は加熱、細かく刻むなど消化良い調理法でチャレンジしよう

犬にレバー、あげすぎるとビタミンAの過剰症になるって本当?を解説【初心者向け】

レバーはビタミンAが豊富な食材です。ビタミンAは脂溶性、体に蓄積が可能です。そのため、食べ過ぎると「ビタミンA過剰症になるのでは?」と心配する飼い主さんもいます。

では実際のところ、どうなのでしょうか?

この記事では「犬にレバーをあげすぎると、何故ビタミンの過剰症になるの?」「どのくらいの量なら安全なの?」を栄養学の視点から解説します。この記事を読むことで、あなたは「レバーとビタミンAの過剰症の関係」「犬にレバーを与える際の指標」を理解できるようになります。

なぜ、レバーを与えるとビタミンA過剰症になると言われるのだろう?

この問題を理解するための背景を整理します。

ビタミンA過剰症って何?

ビタミンAを過剰に摂取し、体内に蓄積することで起こる中毒症状を指します。食欲不振、体重減少など。

ビタミンAは「脂溶性ビタミン」

脂溶性ビタミンとは、油に溶ける性質を持つビタミンのこと。ビタミンAは体脂肪に蓄積することが可能です。

レバーは飛び抜けて「ビタミンA」含有率が高い食べ物

レバー100gあたりのビタミンA含有量を下記に示します(単位:μg マイクログラム)

  • 牛レバー:1100μg
  • 豚レバー:13000μg
  • 鶏レバー:14000μg

(出典:食品栄養成分表 / 女子栄養大学出版部)

特に鶏レバーがずば抜けてビタミンA含有量が高いことがわかります。

犬は1日にどのくらい、ビタミンAを必要とするの?

ビタミンA過剰症が心配!という場合「どのくらいの量までなら安全なの?」を知ることが大切です。ここで計算してみることにします。

計算式。ペットフードの基準を参考にしてみる。

ペットフードの基準値とされているAAFCO(米国飼料検査官協会)の数値をもとに考えてみましょう(1997年版)。

これによると成犬用ドライフード1kg(エネルギー量:3500kcal)あたりには、5000IUのビタミンAを最低含めること、とされています。

ペットフードは「それだけを食べて犬が健康で生きていける」とその時点で保証された栄養を含んでいる、というのが大前提です。ただし、この数字も必要に応じて改定されるので「絶対値」ではないことを理解しておく必要があります。

体重10kgの犬の場合で考えます。成犬の場合、1日当たりのエネルギー量は約700kcalです。このフードを1日に200g食べる計算となります。ここから必要とするビタミンAは1000 IUと計算できます。

さてAAFCOの基準では、成犬用ドライフード1kgあたりのビタミンA最大許容量は250000IUとされています。ここから単純に最低量の50倍程度までは許容範囲と考えられます。

では、この1日の要求量の50倍のビタミンA(最大許容量)をレバーに換算するとどのくらいの量か?を考えてみましょう。

ビタミンA許容量MAXまでをレバーで摂取すると、一体どのくらいの量になるの??

体重10kgの犬の1日最大許容量のビタミンA:1000 IU×50倍=50000 IU。

鶏レバー100g当たりのビタミンA含有量:14000μg=560000 IU

1日鶏レバー8.9gまでは許容範囲、という計算になります。

許容範囲最大、というのはここでは「体に影響が出ない範囲内MAXで」という意味で使っています。

鶏レバーはお刺身サイズのものを一切れで軽く9g程度になりますから、特に体の小さい小型犬は与える量に注意が必要です。

1回の食事で多少許容範囲を超えても、通常すぐに中毒症状が現れることはありません。ペットフードの最大許容範囲は安全を考慮してあるため、そこからちょっとでも超えると即中毒!という設定ではないからです。

しかしながら、脂溶性であるビタミンAは体に蓄積する性質を考えると、安全な許容範囲を超えてレバーを与え続けるのは避けるべきでしょう。

実際に、犬のビタミンAの安全上限を超えた食事を長く続けると、ビタミンA過剰摂取につながるとの報告もあります→ 参考:Vitamin A excess by feeding with horse meat products containing high levels of liver

安全に食べられる「量」をきちんと把握しよう。

過剰症にならない範囲内で最大のビタミンAを、もし手作りごはんで食べさせるとしたら、何をどのくらい?」と、データを元に考えてみることは大切です。

闇雲に怖がるのではなく「どのくらい?」と実際に食べる量で考えてみる。こうした情報を自分で集め、考えられるようになると、手作りごはんへの不安を減らせます。犬の食事の安全度も高まります。

結論:レバーは安全な犬に量を知り、毎日連続で食べない限り大丈夫。

どうしても心配な場合はレバーの中でもビタミンA含有量が低い「牛レバー」を選べばより安心できます。

全ての栄養素について言えることですが、ビタミンAに限らず、一度に大量摂取するのは避けるべきです。

犬の栄養学の基礎を学びたい方はこちらもどうぞ。

犬に塩分は危険?不要?犬と塩分の正しい関係を理解する【初心者向け】

犬の手作りごはんに味付けは不要です。これはシンプルな事実です。一方でこの事実が一人歩きし「犬に塩分は危険!」という誤解も生まれています。

過度の塩分摂取は犬だけでなく、人間も危険です。ただしそれはあくまで「」の問題。塩分自体が犬の体に害を与える「毒物」というわけではありません。

この記事では、こうした「塩分」への誤解を解き、犬と塩分の正しい関係について解説していきます。

この記事を読むことで、あなたは「犬と塩分」の関係について正しく理解できるようになります。必要以上に塩分を怖がることがなくなり、犬の手作り食への不安を一つ解消できます。

そもそも塩分は、犬にとって必要です。

私たちの体は人も犬も、塩分を必要とします。

「塩分」を知ろう

塩分というのは一般的に「食塩」と同じ意味合いで使用されます。ここでは成分「塩化ナトリウム」について詳しく解説します。「塩素」と「ナトリウム」で構成される物質です。

塩素のはたらき

塩素」は体の中で「胃液」の材料になります。胃液中に含まれる「塩酸」のなかに「塩素」は含まれており、タンパク質を消化する酵素を活性化します。

また「塩酸」は強い酸性なので、殺菌効果を発揮します。食べ物に含まれる雑菌を殺し、犬を食中毒から守っています特に犬の胃酸は酸性度が高く、少々腐った食べ物を食べても平気でいることも多いです。

ナトリウムの働き

ナトリウムは体内の水分量を調整するのに欠かせません。

カリウムとセットになり、神経伝達、筋肉収縮、心臓を正常に動かすなど大切な働きを担っています。

最初の結論「犬だって塩分は必要」

塩素もナトリウムも、生きていく上で犬にとって大切なものです。食事から全く摂取できないと、生理・代謝が阻害されます。最終的には生命の危険があります。

結局のところ、大事なのは「」の問題です。与えすぎてもダメ、与えなさすぎてもダメ。

では、犬の手作りごはんを作る上で「塩分」をどう扱ったらいいか?

肉・魚にもともと含まれる塩分で犬は十分

味付けをしていない生の魚や肉にも一定量の塩分が含まれています。

例えば鮭。塩で味付けをしていない生の鮭を焼いて食べたことはありませんか?その時全く塩味はしなかったでしょうか?

塩でしっかりと味付けをしたものほどではなくても、ほんのりとかすかな塩気を感じるはずです。

実際に、味付けをしなくても鮭100gあたりには0.2gの塩分(食塩相当量で換算)が含まれています。(出典:食品成分表 女子栄養大学出版部)。

肉も同様です。鳥もも肉100gあたり0.1gの塩分が含まれています。

つまり、特に味付けをしなくても肉・魚にはもともと塩分が含まれている、ということです。。犬はこの「もともと食材に含まれている塩分」のみで十分やっていけるため、手作り食に味付けは不要なのです。

犬に塩分は不要」は不正解。

犬は低塩分でも生きていける」が正解。

犬も生命維持には塩分が必要なので、必要量は摂取しなくてはいけません。それは肉や魚に元々含まれている量で十分です、という話。

ちなみに犬の1日の塩分要求量は「体重1kgあたり242mg(NRC:National Research Council 1977)」とされています。成犬期の犬・体重10kgで2.4gほどです。これは一般的な食塩小さじ1/2杯程度に相当します。

犬に塩分が「害」になる量ってどのくらい?

一般に犬が体調を崩す塩分の摂取量は2〜3g/kg(体重1kgあたり)、4g/kgで致死量とよく言われます。体重10kgの犬が食塩を20〜30g摂取で嘔吐などの異変が現れる計算になります。

食塩20〜30gというのは相当な量です。塩大さじ1杯が約15g、大さじ2杯の食塩を一度に食べて体調不良というイメージです。

塩大さじ2杯を一度に口に入れるところをイメージしてみてください。これはかなり「しょっぱい」どころではない量ではないでしょうか?

犬が塩分を一定量、一度に摂ると確かに体調不良を起こします。しかしながら、その大量不良を起こす量が、常識的に考えて「そもそも一度に食べられる量ではない」ということがわかります。

犬に口の中が塩が白だらけになる量を与えても、そもそも飲み込まずに吐き出すことでしょう。

でも実際に、塩分の過剰摂取による、犬の体調不良や死亡事故が起こるのは何故?

塩の誤食事故には以下のパターンがあります:

  • 高濃度の塩分が溶けた水を興味本位で舐めた、飲んだ
  • 異物を飲み込んだ犬へ、飼い主が「塩水を飲ませれば吐く」という情報をもとに大量の食塩水を飲ませた
  • 塩化ナトリウムを使用した「融雪剤」の誤食
  • 海水を大量に飲み込んだ

これらの誤食事故は、飼い主が注意することで多くの場合、防げます。

まとめ

犬にとっても「塩分」は必要。生命維持に欠かせない大切な物質。

ただし、犬は人ほど塩分を必要としない。低塩分でも生きていける動物。

問題になるのは「」。過度な塩分摂取は中毒症状を起こすので誤食事故に注意。

手づくりごはんは肉・魚にもともと含まれる塩分をそのまま生かし、味付けなしで犬に与えるもの。犬が生きていくのに必要な塩分はそれで十分摂取可能

犬の手作りごはんの量をどう決める?【初心者向け】

手作りごはんの適切な量は、犬によって違います。

そのためグラム数やカロリー計算ではなく、犬の体型・体重の増減をみながら調整するのが正解です。以下、具体的に解説していきます。

人の食事量も体重の増減で決める。犬も同じ。

人の場合も体重が増えれば食事量を減らしてダイエットします。逆に体重が減ってきたら食事量を増やします。

今この記事を読んでいる飼い主さんご自身の食生活と、体重の関係を考えてみてください。

太った→食事量を減らす
痩せた→食事量を増やす

その際、1日の摂取カロリーや栄養素の量まで、事細かに計算する人は少ないはずです。

せいぜい「脂身はカロリーが高いから、ロースはやめて脂肪分の少ないササミにしよう」「ごはんは糖質で太りやすいから控えめにしよう」という風に、アバウトに食事量を調整しているはず。

犬も同様と考えてください。

器の大きさで、手作りごはんの目安量を決める

そう言われても、初めて犬の手作りごはんに取り組む人は「それでは不安」と感じることでしょう。

そこで簡単な量の目安をご紹介します。

犬の頭に帽子をかぶせるところをイメージしてみましょう。

それと同じ大きさのフードボウルに手作りごはんを2/3程度盛り付けるところをイメージしてください。これが1回の食事量になります。

犬の手作りごはん量の目安

体型を見ながら食事量を調整

まず手作りごはんを2週間程度続けてみます。

体型に変化がなければ食事量は適量です。

適切な体型がどうかのチェック方法を以下に解説します。

犬の理想体型は腰に適度なくびれがあること

犬のボディコンディションスコア(BCS)を参考にする

ボディコンディションスコア(BCS)犬の体型評価に使用されます。
理想体型は:

  • 体脂肪率15%〜24%
  • 肋骨の上にうっすらと脂肪が覆っている
  • 脂肪の上から肋骨の上に触れられる
  • ウエストに適度なくびれがある
  • 横から見るとお腹に凹みがある

イラストでBCSを見られるサイトをご紹介するので、こちらも参考に。
→ ぽっちゃりは短命?愛犬の体重管理の大切さ(ロイヤルカナン)

手作りごはんを続けてみて、犬の体型が理想的にキープできていれば問題ありません。

手作りごはんで栄養が、ちゃんと足りているか心配

極端に偏った食事内容でなければ、犬が栄養不足になることはありません。

基本の食事内容は肉・魚類(1):主食(1):野菜類(1)の割合です。

1日何gという基準値があれば安心、という人も多いですが、犬によって活動量、栄養を吸収する能力は異なります。必要なエネルギー量も変わってくるため、必要な食事量をグラム数だけで算出するのは無理があります

多くの普通の飼い主が手作りごはんを実践している。

犬の手作りごはんは、家庭で作る日常ごはんという位置付けです。

多くの人が栄養の専門家でなくとも自分で食事を作り、問題なく健康に暮らしています。犬も同様です。基本の食事内容を守り、色々なものを偏りなく食べさせることで犬も健康に暮らせます。

実際に世の中の多くの犬の飼い主がて作るごはんを作り、犬に食べさせています。

そうした様子はブログやSNSでも公開されています。そうした人たちがどんなものを食べさせているか、犬たちの様子はどうか、を参考にしてみるのもおすすめです。

結論:犬の体型を見ながら適量を探る。

犬に合わせた食事量は、飼い主さんが犬の体と向き合い時間をかけて探っていくものです。基本を守れば栄養の偏りも、栄養の不足も起こりません。

まずは実際にやってみて、犬をよく観察することから始めてください。

書籍を参考にするのもおすすめです。

一緒に作って食べられる 犬のごはん うちのワンコはこれ1冊で一生健康生活 [ 須崎恭彦 ]

犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】

初心者は要チェック!犬にこれは食べさせちゃダメ

犬に食べさせてはいけない食べ物の把握は「犬の手作りごはん」を作る前に必要な必須の知識です。

このページでは、食べさせてはいけない食物10種類について解説します。
紹介するリストはこちら:

チョコレート/ネギ類(玉ねぎ・ニンニク)/ぶどう(レーズン)/生のイカ/大量の脂身/アボカド/マカデミアナッツ/キシリトール/カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶)/アルコール類

1:チョコレート

犬がチョコレートを食べると、チョコレート中毒と呼ばれる症状を起こす場合があります。

犬に食べさせてはいけない食べ物「チョコレート」
チョコレート

チョコレートの毒性

チョコレートには「テオブロミン」と「カフェイン」が含まれています。この成分が犬の健康に影響します。

毒性は「食べたチョコレートの種類」と「食べた量」によって決まります。

カカオの含有率が高い「ダークチョコレート」の危険度が最も高く、「ホワイトチョコレート」では危険度が下がります

ごく少量の誤食では、ほとんどの場合、犬に健康上の症状は現れません。

中毒症状

  • 落ち着きがない
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 心拍数の上昇
  • 血圧上昇
  • 体温上昇

犬がチョコレート中毒になった場合、獣医師へ速やかに「犬が食べたチョコレートの種類」「量」を伝えましょう。

2:ねぎ類(ねぎ・ニンニク)

犬が玉ねぎを食べると、玉ねぎ中毒を起こす場合があります。尿の色が赤く変わる症状が出た場合は、すぐに動物病院へ。

犬に食べさせてはいけないもの「玉ねぎ」
玉ねぎ

ネギ類(玉ねぎ・ニンニク)の毒性

玉ねぎを含むネギ類(ねぎ、ニンニク)には「犬の赤血球を破壊する成分」が含まれています。

刺激が強い成分が多く、犬に「胃腸炎」を引き起こす場合もあります。

ネギ類の中毒は、症状が現れるまで時間がかかる場合があります。食べてから数日後に症状が現れることもあります。

初心者はここに注意!

玉ねぎの有毒成分は、加熱しても壊れません。煮汁にも溶け出すため、玉ねぎそのものを取り除いても、有毒成分は汁に残ります

中毒症状

  • 尿が赤くなる(赤血球の破壊による。血尿とは異なる)
  • よだれ
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 呼吸数増加
  • 心拍数増加

3:ぶどう(レーズン)

ぶどうは犬に急性腎不全を起こす場合があります。

犬に食べさせてはいけないもの「ぶどう」
ぶどう

毒性

ぶどう(レーズン)による「急性腎不全」はブドウジュース、レーズンを含むお菓子やパン、クッキー、ワインなどでも起こります。

ぶどうがなぜ、犬に中毒を起こすか?という原因はまだわかっていません。

また、ぶどうによる中毒は「食べた量に関係なく」起こっています。

無農薬栽培・通常栽培を問わず、犬に中毒を起こす可能性があるため、注意が必要です。

中毒症状

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛
  • 急性腎不全

4:生のイカ

生のイカは消化が悪く、犬に嘔吐・下痢を引き起こす場合があります。

犬にたべさせてはいけないもの「生のイカ」
生のイカ

イカは生のままでは消化が悪い。

消化の悪さから、イカは犬が食べるのに適した食物ではありません。

消化が悪いことは、加熱しても変わりません

犬の手作りごはんには、イカ以外にも安心して使える食材がたくさんあります。どうしてもイカを食べさせなければならない!という状況は稀です。他の食材を検討しましょう。

5:大量の脂身

大量の脂身を含む食事が原因で、犬が急性膵炎を起こす場合があります。急性膵炎は命の危険を伴います。

犬に食べさせてはいけないもの「大量の脂身」
大量の脂身

毒性

脂肪の大量摂取による「急性膵炎」で動物病院へ運ばれる犬が増えています。
特定の犬種、肥満犬、老犬に起こりやすいことも特徴です。

起こりやすい犬種:ミニチュアシュナウザー/トイプードル/コッカースパニエル

膵炎の症状

  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 食欲不振
  • 下痢

急性膵炎は命の危険が伴う非常に危険な症状です。速やかに動物病院を受診してください。

6:アボカド

アボカドの犬への影響は議論が分かれています。種子の丸呑みによる腸閉塞のリスクにも注意が必要です

犬に食べさせてはいけない食べ物「アボカド」
アボカド

アボカドの毒性は議論が分かれている

アボカドに含まれる物質「ペルシン」が毒性成分と言われています。この影響を受けるのは大型の鳥、牛、羊、山羊などです。犬は影響を受けにくいと考えられています。

アボカドは脂肪分が多いため、大量摂取による「急性膵炎」のリスクもあります。

種子の丸呑みも報告されており、異物による食道閉鎖のリスクがあります

誤って食べてしまった場合、嘔吐・下痢などの症状が出ないか注意してください。

7:マカデミアナッツ

ナッツには大量の油脂が含まれています。そのため、急性膵炎を引き起こす場合があります

犬に食べさせてはいけないもの「マカデミアナッツ」
マカデミアナッツ

マカデミアナッツが中毒を起こす仕組みは、まだわかっていません。ごく少量でも症状が出ます。

マカデミアナッツには大量の油脂が含まれており、急性膵炎発症のリスクがあります。症状は3〜6時間以内に起こり、24〜36時間続きます。

中毒症状

  • 脱力
  • 歩行困難
  • 体温上昇
  • 嘔吐
  • 下痢

8:キシリトール

人には安全なキシリトールも、犬には低血糖、肝不全を起こす場合があります。ガムの誤食には注意が必要です。

犬に食べさせてはいけないもの「キシリトール」
ガムに含まれるキシリトールの大量摂取

毒性

キシリトールはガム、デンタルケア製品、歯磨き粉などに多く含まれます。人には安全な成分ですが、犬が摂取すると低血糖、肝不全を起こす場合があります

中毒症状

  • 嘔吐
  • 体に力が入らない
  • 歩けなくなる

キシリトール中毒は摂取後、20分〜3時間以内に起こります。比較的早く症状が現れやすいのが特徴です。

9:カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶)

カフェイン中毒はコーヒー、紅茶などの飲み物の他、頭痛薬の誤食でも起こります。特に薬の誤食は命の危険に直結します

犬に食べさせてはいけないもの「コーヒーなど、カフェインを含むもの」
コーヒーなどカフェインを含むもの

中毒症状

  • 落ち着きがなくなる
  • 嘔吐
  • 心拍数の増加
  • 下痢
  • 心不全

10:アルコール類

ワインなどのアルコール飲料だけでなく、手指の消毒液でも中毒が起こります。

犬に食べさせてはいけないもの「アルコール類」
アルコール類

犬がアルコールを摂取すると酔っ払った状態になります。

中毒症状

  • 低体温
  • 胃腸障害
  • 眠り込む

症状は30〜90分以内に急速に起こります。24〜36時間続く場合があります。

参考リンク

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