乳製品

犬に「チーズ」はあげても良いですか?【初心者向け】

犬は大好き!チーズの話です。

牛乳は時々薄めてあげることがあるけれど、チーズは大丈夫かのかな?

犬がチーズを欲しがるけれど、塩分が気になる…

結論から先に言うと、犬にチーズを与えても特に問題ありません。

ただし与える量・種類には注意が必要です。この記事では以下の内容で解説していきます。

  • チーズの種類の話(そもそもチーズって?)
  • チーズの栄養価の話(カルシウム、タンパク源として)
  • 与える際の注意点

チーズの種類の話

大前提として「チーズ」の原料となる「牛乳」は犬に与えても問題ない食品です。

ただし、アレルギーや乳糖不耐症がある場合は食べさせてはいけません。これについては下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

チーズと牛乳、何が違うの?

チーズは牛乳に乳酸菌や酵素を加えて凝固させたものから、水分(ホエイ)を除き、乳酸菌やカビなどの微生物の力を借りて発酵させたものです。

ただし、種類によっては発酵させないタイプもあり一口にチーズといっても実は色々。

そこでこの記事では、まず私たちが普段スーパーなどで手軽に入手できる「プロセスチーズ」について詳しく見ていきます。

私たちが普段、目にする機会が多いのは「プロセスチーズ」

私たちに一番馴染みが深いのが「プロセスチーズ」です。代表は丸いケースに入った6Pチーズ。プロセスチーズの代表です。

プロセスチーズは「ナチュラルチーズ」を粉砕、加熱して溶かし、固めたもの。

ナチュラルチーズは牛乳に微生物を反応させ発酵させたものです。身近なナチュラルチーズの代表は表面が白いカビで覆われた「カマンベールチーズ」ですね。

ナチュラルチーズはそのままだと、微生物の働きで発酵が進みます。

プロセスチーズはこのナチュラルチーズを加熱するので、酵素やカビの働きはストップします。そのため風味が変わりにくく保存性に優れています。

手作りごはん初心者の方が「チーズ」を犬のご飯に使う場合、品質と風味の安定した「プロセスチーズ」が使いやすくおすすめです。

気になる「プロセスチーズ」のカロリー、塩分は?

プロセスチーズのカロリーは100gあたり399kcalです。塩分は食塩相当量で2.8g(ただし製品によって上下あり)。

犬の塩分要求量は体重10kgの成犬で1日あたり2.42gです(維持期の犬体重1kgあたりの塩化ナトリウム要求量:242mgで計算。出典はNRC1977)。

箱入りのカット済みタイプチーズ1切れが8.2gです。含まれる食塩は約0.2g。

体重10kgの犬がプロセスチーズを1切れ(8.2g)程度食べる分には、塩分過多にはなりません。

このサイトではチーズを「手作りごはんの風味づけ」としてリゾットやふりかけとして使うことをお勧めしています。

メインの食材として使うのではなく、あくまでも「香りづけ程度」という位置付けですね。

チーズの栄養価の話

チーズは良質のタンパク質を多く含みます。

また、カルシウムも豊富。

犬は人よりも多くのカルシウムを必要とします。

体重1kgあたりで比較すると犬は人の24倍のカルシウムが必要です。体重10kgの犬で1日に必要なのは2420mg。

プロセスチーズには100gあたり630mgのカルシウムが含まれます。8.2gのプロセスチーズ1切で摂取できるカルシウムは約52mg。

チーズ一切れで1日の必要量の1/50程度が摂取できる計算です(結構少ない)。

さらにいうと、カルシウムは吸収率があまり良くないミネラルでもあります。実際にはより多くのカルシウムを含む食品を摂取する必要があります。

プロセスチーズは食品の中では、カルシウムの含有量がかなり高い部類に属します。そのためプロセスチーズは、犬のカルシウム源としておすすめの食品といえます。

この他には脂質ビタミンAビタミンB2などが豊富。

チーズを与える際の注意点

既に述べましたが、チーズと一口に言っても種類によってカルシウムの含有量も、脂質、塩分の含まれる量も違います

犬の手作りごはんに向いたチーズは何か?を飼い主側で十分把握して使用することが大事です。

以下、チーズ別に簡単に解説します。

初心者はまず「プロセスチーズ」

既に述べましたが初心者が使いやすいのは「プロセスチーズ」です。

塩分含有量もずば抜けて高い訳ではなく、脂質の含有量もほどほどなので下痢やカロリーオーバーなどのリスクは低め。

手作りごはん初心者は「プロセスチーズ」をまずは小さく一切れから、がおすすめ。

脂肪分の少ない「カテージチーズ」も使いやすい

カテージチーズは牛乳から脂肪分を取り除いた「脱脂乳」が原料です。

脂肪分を除去してあるものの、タンパク質、カルシウムなどの栄養はそのまま残っています。

そのためダイエット中の犬、脂肪分の多い食事だと下痢をしやすい犬にはカテージチーズがおすすめです。

カテージチーズは100gあたり105kcal、カルシウムの含有量は55mgです(プロセスチーズの1/11)。含まれる塩分は食塩相当量で1.0g。

かなり軽めのチーズと言えるでしょう。

パルメザンチーズは「香りづけ程度」にとどめる

パスタに振りかけることも多い「パルメザンチーズ」。

100gあたり475kcal、カルシウム含有量は1,300mg。食塩相当量は3.8mgです。

水分含有量が最も少ない「ハードタイプ」に分類されるチーズです。旨味と栄養がぎゅっと濃縮されている。

濃厚な分、塩分含有量、脂肪分ともに高めです。香りづけ程度に少量使用すると犬の食欲をそそり、食い付きが良くなります。

*犬の「食欲」をそそる要素についてはこちらの記事も参考にしてください。『犬の「食べたい!」は何で決まる?嗜好性』の項目参照。

犬にチーズを与える際の注意点

中身に具材の入っていないシンプルなチーズを選びましょう。

チーズの中には「レーズン」「アーモンド」「にんにく」などが入ったタイプもあります。

レーズン(ぶどう)で犬が腎不全に陥る障害が報告されています。ナッツ類に含まれる脂肪分も、量によっては犬の体調不良の原因になる場合があります。

ニンニクは「ネギ類」に分類され、大量摂取すると玉ねぎ中毒と同じ症状が起こる場合があるので注意が必要です。

レーズン、ネギ類についてはこちらの記事も参考に。

これらの食品はチーズと相性が良く、お酒のおつまみとしても愛好されます。犬が誤ってこれらのチーズを食べてしまわないよう注意しましょう。

犬の手作りごはんに使用するのは、あくまでもシンプルな「素材としてのチーズそのもの」。

まとめ

  • 犬にチーズは与えても問題ない。ただし量と種類に注意
  • 初心者におすすめなのはプロセスチーズ
  • ヘルシーなカッテージチーズも使いやすい
  • 香りづけ程度にはパルメザンもおすすめ。ただし少量を
  • 少量のチーズでは塩分過多にはならない
  • チーズは良質のカルシウム源
  • お酒のおつまみ用の具材が入ったチーズの誤食に注意

犬に牛乳を与えてもいいですか?タンパク源・カルシウム源として優秀!おすすめですと言う話をするよ【初心者向け】

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牛乳は犬にいいの?お腹を壊さないならOK!

犬に牛乳をあげるとお腹を壊すのでは?

人でも牛乳を飲むと腹痛を起こす人がいますよね。でも全ての人がお腹を壊すわけではありません。犬も同じです。牛乳を飲ませて下痢になる犬もいれば、全然平気な犬もいる。

牛乳の場合「犬には」と大きな主語で考えないことです。大丈夫な犬と、そうでない犬がいる。大事なポイントなので、ぜひここで理解してください。

体質的に牛乳が合わない「乳糖不耐症」

牛乳には「乳糖」が含まれます。これを分解する消化酵素(ラクターゼ)の不足により、下痢、腹痛、おなら、腹部の不快感を訴える。これが「乳糖不耐症」です。

人も犬も哺乳類。生まれてすぐは母乳で育ちます。その時はみんな、ちゃんと乳糖を消化する酵素を出しています。授乳期がすぎ、離乳するとこの酵素の分泌が減り「乳糖不耐症」になるケースがあります。

これは体質です。なのでこの場合、無理して牛乳を飲む必要は全くありません。牛乳はタンパク源、カルシウム源として優秀ですが(後述)、牛乳以外の食品からも十分摂取できます。

乳糖不耐症」の犬がいる一方で、全く平気な犬もいます。全ての犬が牛乳を飲めないわけではないことを、ここでは理解しましょう

牛乳アレルギーの場合は、当然だが飲まない方が良い。

牛乳にアレルギーがある場合は、当然ですが飲まない方が良いですね。乳糖不耐症とアレルギーは、混同される場合もありますが全く別物です。

牛乳の栄養学的メリット3つ。

牛乳は栄養価の高い食品です。そのメリットを3つ解説します。

1:優秀なタンパク源

牛乳はタンパク質を多く含みます。牛乳のタンパク質の8割は「カゼイン」です。「カゼイン」は体内で「カルシウム」の吸収を促進します。

2:貴重なカルシウム源

犬は人よりもカルシウム要求量の多い動物です。食品からしっかり摂取させる必要があります。

カルシウムは吸収率が悪いミネラルでもあります。牛乳に含まれるタンパク質「カゼイン」はカルシウムの吸収率をあげる効果があります。このため牛乳は効率の良いカルシウム源と言えるでしょう。

3:脂質・糖質・タンパク質:三大栄養素をエネルギーに変えるビタミンB2を含む

食物をエネルギーに変えるのに、ビタミンの助けが欠かせません。ビタミンB2は糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変えるのに必要なビタミンです。特に脂質の代謝と関わりが深く、脂肪燃焼には必須

ビタミンB2はもともと牛乳から発見されたビタミンです。細胞の新陳代謝を助け、健康な皮膚、被毛を作るのに必須です

結論:犬にとっても牛乳は貴重な栄養源。

カルシウムが豊富で吸収率も高い牛乳は、犬にとってもメリットが多い食品です

ただし栄養価が高い分、脂質も多く含みます。体重コントロールが必要な犬の場合、低脂肪乳を利用するのがお勧めです。

栄養について学びたい方はこちらの記事もどうぞ→犬の手作りごはんの栄養、最低限押さえておきたい5種類の栄養素【初心者向け】