ビタミン

ビタミンE | 犬の手作りごはん栄養学

過酸化脂質の生成を抑え、細胞の老化を防ぐ働きで注目される。血行促進作用があり、体の冷えを改善する脂溶性ビタミン

強力な抗酸化作用を持つ

ビタミンE強力な抗酸化作用を持つため、食品添加物として食品の酸化防止目的でも使用されます。

酸化防止剤として点火されているビタミンEは時間の経過とともに減っていきます。

そのため食品に含まれる酸化防止剤としてのビタミンEを、体内へのビタミンE供給源として捉えることはできません。

あくまでも食事から摂取することが大切です。

ビタミンEは体内に臓器、組織にも多く分布しています。

ビタミンA、Cと同時摂取すると相乗効果で抗酸化力アップ

同じく抗酸化作用を持つビタミンA、Cと同時摂取すると抗酸化力がアップします。

この3つをまとめてビタミンACE(エース)と呼ぶこともあります。

細胞膜の酸化を防止

細胞を包む細胞膜はリン脂質でできていますが、これは参加しやすい性質を持ちます。リン脂質が参加すると過酸化脂質が作られ、これが過剰になると細胞の老化に繋がると考えられています

ビタミン Eには細胞膜の酸化を防ぐ働きがあります。

血行促進

ビタミンEは抹消血管を拡張し、血行を促す働きを持ちます。

不足すると

細胞、血管の老化、生活習慣病のリスク拡大。

過剰症

過剰症の心配は、ほぼないと考えられています。

多く含む食品

ビタミンE植物オイルに多く含まれます。特にひまわり油、アーモンドオイル、サフラワーオイル、コーン油に多く含まれます。

かぼちゃにも多く含まれます。

ビタミンについての基本情報を知りたい場合はこちらの記事も参考に。

ビタミンA | 犬の手作りごはん栄養学

ビタミンA皮膚、粘膜、目の健康に欠かせないビタミン。強い抗酸化力を持ちます。

脂溶性ビタミンに分類されます。

この記事ではビタミンの働き、効率的な摂取方法、多く含まれる食材について解説します。

ビタミンAには様々な形がある

体内でビタミンAとして働くものをまとめてビタミンAと呼びます

カロテン(植物性食品)

カロテンは植物に含まれる成分です。

代表的なのは緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン犬や人の体内で必要に応じてビタミンAに変換され使用されます

β-カロテンはそれ自体が強い抗酸化力を持ちます。

体内の酸化を防ぎ、老化を遅らせる抗酸化成分としての働きが注目されています。

レチノール(動物性食品)

動物性食品にはビタミンAレチノールの形で含まれます。レチノールが過剰摂取すると体内に蓄積され、過剰症を起こすと言われます。

但し、過剰症についてはかなり偏った食事を長期間続ける、サプリメントの容量を超えた過剰摂取などかなり特殊な状況でなければ起こりません。

犬で心配されるのがレバーの過剰摂取によるビタミンA過剰症です。

レバーの中では鶏レバーがビタミンA含有量の高さで知られます。

鶏レバーに関しては、犬に安全な量を知って与えることが大切です。詳しくは下記の記事で解説しているのでご参考に。

過剰症

動物性レチノールを過剰摂取すると、妊娠中の胎児に先天性異常が起こる場合があります。

レバー類に取りすぎには注意が必要です。

これ以外では頭痛、吐き気などの症状が見られる場合があります。

なお、β-カロテンには過剰症の心配はありません。

欠乏症

ビタミンAはとの関わりが深いビタミンです。

ビタミンAが不足すると視覚障害を起こすケースがあります。

また口、鼻、喉、消火器など粘膜の健康を保つのにビタミンAは欠かせません。

鼻、喉の粘膜は外部から侵入する異物や病原菌から体を守る上で大切なゲートの役割を担っています。

そのためビタミンAが不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなるとされています。

ビタミンAを多く含む食品

動物性食品では鶏レバー、豚レバー、銀ダラに多く含まれます。

植物性ではにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富です。

植物性の食品の場合、ビタミンA吸収率を上げるためには油と一緒の調理がおすすめです。

にんじん、かぼちゃの詳しい解説は下記の記事もあわせてどうぞ。

ビタミンの基本を知りたい方はこちらもどうぞ

ビタミン | 犬の手作りごはん栄養学

犬の体の機能調整や維持に欠かせない成分です。

ビタミンには多くの種類がありますが、ここではまずビタミンとは何か?という基本を解説します。

ビタミンは三大栄養素をエネルギーに変える

糖質、脂質、タンパク質の3つの栄養素はエネルギーとして利用できるため三大栄養素と呼ばれます。

この三大栄養素をエネルギーに変えるため、体内では代謝が起こります。その際、酵素の助けを必要としますが、その酵素の働きをさらに助けるのがビタミンです。

酵素の働きを助ける物質を補酵素と呼びます。ビタミンの中には補酵素として働くものがあります。

体で作り出せないビタミンは食事から摂取する必要がある

体が必要とするビタミンはごく少量ですが、体で作り出せないビタミンは必ず食事からとる必要があります。

例えば糖質の代謝にはビタミンB1が必須です。糖質を多く摂取するとビタミンB1がどんどん消費されます。

ビタミンB1が不足するといくら糖質を摂取しても効率よくエネルギーに変えることができません。

そのため、体がだるい、疲れやすくなるなどの体調不良が起こります。

ビタミンは不足すると体調に不調を引き起こす物質でもあります。

さてこのように言うと「手作りごはんで犬に必要なビタミンをちゃんと摂取することができるだろうか?」と心配する方も多くいます。

結論から言うと、ビタミンは肉、野菜、穀類など様々な食材に含まれているので「極端な偏りなく」色々食べていれば、ビタミンが不足することはありません。

偏食をしないことが結果としてリスクヘッジにつながります。

ビタミンは13種類ある

13種類あるビタミンは水溶性、脂溶性に分けられます。

脂溶性ビタミン

油に溶ける性質のあるビタミンです。

  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

体脂肪に溶け込み体に蓄積される性質を持ちます。

そのため過剰に摂取すると過剰症につながるのでは?と心配されますが、通常の食生活では過剰症の心配はありません。

過剰症はサプリメントの過剰摂取や、特定の食品のみに偏った食生活を長く続けることで報告される例がほとんどです。

犬の場合、レバーに含まれるビタミンAが過剰症を起こすのではないか?と心配されることがあります。

これについては下記の記事に詳しく書きましたので参考にしてください。

水溶性ビタミン

水に溶ける性質のあるビタミンです。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • 葉酸
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンC

水に溶けやすい分、一度に大量に摂取しても不要な分は尿として排泄されます。

ビタミンの特性を知り、上手に手作りごはんに活用しよう

ビタミンには様々な特徴があり、どのような食材に含まれているかも異なります。

そこで飼い主さんがビタミンの特性を知り、食材の選択や調理に生かすことが、犬の食事の栄養バランスをとることにつながります。

例えば、脂溶性ビタミンは油に溶ける性質を生かし、ビタミンA、Eを多く含む緑黄色野菜は油と炒めることでビタミンの吸収率を上げることができます。

水溶性であるビタミンCは水に溶ける性質があるため、茹でる、煮るという調理法では煮汁にビタミンCが溶け出します。

その場合は、煮汁ごと食べるメニューを組む、または茹で時間は短時間にとどめできるだけビタミンCの損失を防ぐなど調理法の工夫で、犬の手作りごはんの栄養価を高めることができます。

またビタミンは他の栄養素の吸収にも大きく関わっています。

ミネラルであるカルシウムは、体に吸収されにくい成分ですが、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。

犬は人間の24倍のカルシウムを必要とします(体重1kgあたりの要求量で比較)。

魚のイワシはビタミンDを豊富に含みます。このイワシを骨まで柔らかく煮て食べさせることで、犬にとって吸収しやすいカルシウム源となります。

ぜひビタミンについて知り、犬の食事から犬の健康を守るメニュー作りに役立ててください。