脂溶性ビタミン

ビタミンK | 犬の手作りごはん栄養学

出血を止める脂溶性ビタミン骨を丈夫にする働きを持つ。

犬の腸内細菌もビタミンKを作り出すことができるが、1日の要求量に満たない場合もある。食品からも摂取することが望ましい。

2種類のビタミンK

植物に含まれるビタミンK1、腸内細菌によって合成されるビタミンK2があります。

血液の凝固と止血をコントロールする

血液を固め、かさぶたを作る際ビタミンKが必要です。

一方で血管内で血液が固まるのを防ぐ役割も担っています。

骨を作るプロセスでも活躍

カルシウムが骨に沈着するために必要な物質をビタミンKは活性化します。

ビタミンKが不足すると骨がもろくなります。

特に成長期には重要なビタミンです。

不足すると

出血が止まりにくい、骨がもろくなる。

過剰症は報告されていない

ビタミンKで過剰症は報告されていません。

ただし、血栓症、血液凝固剤を服用時はビタミンK摂取量が制限されます。詳しくはかかりつけの獣医師にご相談ください。

多く含む食品

緑黄色野菜、海藻、納豆に多く含まれます。野菜ではほうれん草に多く含まれます。

ビタミン全般についてはこちらもご参考に。

ビタミンE | 犬の手作りごはん栄養学

過酸化脂質の生成を抑え、細胞の老化を防ぐ働きで注目される。血行促進作用があり、体の冷えを改善する脂溶性ビタミン

強力な抗酸化作用を持つ

ビタミンE強力な抗酸化作用を持つため、食品添加物として食品の酸化防止目的でも使用されます。

酸化防止剤として点火されているビタミンEは時間の経過とともに減っていきます。

そのため食品に含まれる酸化防止剤としてのビタミンEを、体内へのビタミンE供給源として捉えることはできません。

あくまでも食事から摂取することが大切です。

ビタミンEは体内に臓器、組織にも多く分布しています。

ビタミンA、Cと同時摂取すると相乗効果で抗酸化力アップ

同じく抗酸化作用を持つビタミンA、Cと同時摂取すると抗酸化力がアップします。

この3つをまとめてビタミンACE(エース)と呼ぶこともあります。

細胞膜の酸化を防止

細胞を包む細胞膜はリン脂質でできていますが、これは参加しやすい性質を持ちます。リン脂質が参加すると過酸化脂質が作られ、これが過剰になると細胞の老化に繋がると考えられています

ビタミン Eには細胞膜の酸化を防ぐ働きがあります。

血行促進

ビタミンEは抹消血管を拡張し、血行を促す働きを持ちます。

不足すると

細胞、血管の老化、生活習慣病のリスク拡大。

過剰症

過剰症の心配は、ほぼないと考えられています。

多く含む食品

ビタミンE植物オイルに多く含まれます。特にひまわり油、アーモンドオイル、サフラワーオイル、コーン油に多く含まれます。

かぼちゃにも多く含まれます。

ビタミンについての基本情報を知りたい場合はこちらの記事も参考に。

ビタミンA | 犬の手作りごはん栄養学

ビタミンA皮膚、粘膜、目の健康に欠かせないビタミン。強い抗酸化力を持ちます。

脂溶性ビタミンに分類されます。

この記事ではビタミンの働き、効率的な摂取方法、多く含まれる食材について解説します。

ビタミンAには様々な形がある

体内でビタミンAとして働くものをまとめてビタミンAと呼びます

カロテン(植物性食品)

カロテンは植物に含まれる成分です。

代表的なのは緑黄色野菜に含まれるβ-カロテン犬や人の体内で必要に応じてビタミンAに変換され使用されます

β-カロテンはそれ自体が強い抗酸化力を持ちます。

体内の酸化を防ぎ、老化を遅らせる抗酸化成分としての働きが注目されています。

レチノール(動物性食品)

動物性食品にはビタミンAレチノールの形で含まれます。レチノールが過剰摂取すると体内に蓄積され、過剰症を起こすと言われます。

但し、過剰症についてはかなり偏った食事を長期間続ける、サプリメントの容量を超えた過剰摂取などかなり特殊な状況でなければ起こりません。

犬で心配されるのがレバーの過剰摂取によるビタミンA過剰症です。

レバーの中では鶏レバーがビタミンA含有量の高さで知られます。

鶏レバーに関しては、犬に安全な量を知って与えることが大切です。詳しくは下記の記事で解説しているのでご参考に。

過剰症

動物性レチノールを過剰摂取すると、妊娠中の胎児に先天性異常が起こる場合があります。

レバー類に取りすぎには注意が必要です。

これ以外では頭痛、吐き気などの症状が見られる場合があります。

なお、β-カロテンには過剰症の心配はありません。

欠乏症

ビタミンAはとの関わりが深いビタミンです。

ビタミンAが不足すると視覚障害を起こすケースがあります。

また口、鼻、喉、消火器など粘膜の健康を保つのにビタミンAは欠かせません。

鼻、喉の粘膜は外部から侵入する異物や病原菌から体を守る上で大切なゲートの役割を担っています。

そのためビタミンAが不足すると風邪などの感染症にかかりやすくなるとされています。

ビタミンAを多く含む食品

動物性食品では鶏レバー、豚レバー、銀ダラに多く含まれます。

植物性ではにんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に豊富です。

植物性の食品の場合、ビタミンA吸収率を上げるためには油と一緒の調理がおすすめです。

にんじん、かぼちゃの詳しい解説は下記の記事もあわせてどうぞ。

ビタミンの基本を知りたい方はこちらもどうぞ