「犬に野菜ってあげていいの?」これって手作りごはんをやっていく上で永遠のテーマとも言える悩みですよね。
結論から先に言うと「玉ねぎなど、犬に明らかに害のある食べ物以外は基本OK」です。
ただし条件付きOKの野菜もあるため、野菜に関しては単純に「良い・悪い」が言えません。
「犬は肉食動物なので野菜は体に負担」と言うのは明らかに間違いです。ネット上に多い記述なので要注意。
この記事では「犬と野菜の関係」を正しく解説し、与える際の注意点も併せてお話しします。
大雑把な結論:犬に野菜は問題ない。ただし…
野菜といってもいろいろありますよね。
犬のとってダメな野菜をまずしっかり理解しましょう。
ネギ類はNG×
長ネギ、玉ねぎなどの「ネギ類」に含まれる成分(アリルプロピルジスルフィド)は犬が許容量を摂取すると「玉ねぎ中毒」を引き起こします。
参考:犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】
「玉ねぎ中毒」になると赤血球が壊れ、中の色素が尿に漏れ出てきます。赤〜濃いオレンジ色に近い「ヘモグロビン尿」がでます。この症状があるときはすぐに動物病院へ。
きのこ類は条件付き△
手作りごはんの本やネット上のレシピには「きのこ」を犬の手作りごはんに勧めている記事もあります。しかし犬によっては「きのこ」を与えると嘔吐する場合があります。
きのこは犬にとって消化しにくい食物です。与える際はごく少量に止めるか、細かく刻んで少量から始めて様子を見ましょう。
尚、きのこ類は絶対に「生」で与えてはいけません。
きのこの生食はヒトでも食中毒の危険があります。
犬に野菜がダメって何故言われるのか?
犬は肉食動物なので「野菜」は消化に悪い、適さないという説をネット上でよく見かけます。
これは明らかに誤りです。以下解説。
犬は雑食動物です
犬の祖先は狼、狼は肉食、だから犬も肉食、という風に誤解されています。これは誤り。
犬は雑食動物。肉も食べますが、穀物食、野菜にもよく適応します。
野菜を犬は消化できないから負担は「間違い」×
野菜に含まれる「食物繊維」を消化し、自分のエネルギーとして利用できるのは草食動物です。
草食動物は消化管に微生物を飼っていて、その微生物に食物繊維を分解してもらい、その副産物をエネルギー利用しています。
犬も人も自前の消化酵素では食物繊維を消化できません。
犬・人でも腸内細菌がごくわずかに食物繊維を分解し、そこから微量なエネルギー利用も行われているようです。それでも必要なエネルギーをまかなうほどではありません。
食物繊維のメリットはむしろ「消化できないこと」にあります。
消化できないからこそ、腸内で膨らみ排便を促す、腸内の不要物を吸着し排泄を促すなど様々なメリットがあります。
消化できない=体に負担とは限らない
ということです。
初心者におすすめの「野菜」5種
犬の手作りごはん初心者でも扱いやすい「犬におすすめの野菜」を5つ厳選してご紹介します。
1:白菜
柔らかく癖のない「白菜」は初心者におすすめです。柔らかく切り、食べやすい大きさに切って与えます。
他の素材の味が染み込みやすいので、肉と合わせると野菜が初めての犬でも抵抗なく食べられます。
2:にんじん
緑黄色野菜のにんじんはβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは抗酸化力が高く体内の酸化防止におすすめです。
犬は甘みを好みます。にんじんを柔らかく煮て甘みを引き出すと犬にも食べやすい。食べやすい大きさに切って与えます。
3:きゅうり
水分が多く、ぽりぽりとおやつ代わりに食べる犬も。暑い時期の水分補給にも最適です。
与える際は薄くスライスして。生でも、炒め物でもOKです。
4:キャベツ
胃の粘膜を保護する「ビタミンU(通称:キャベジン)」が豊富。「ビタミンC」も豊富で特に芯の近くに多く含まれます。
火を通すと柔らかくなります。手作り食にまだ慣れていない犬には加熱して与えます。野菜に慣れている犬であれば、生でも加熱でも。
キャベツの解説記事はこちら:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】
5:トマト
トマトの酸味や甘みを好む犬は多く、生で、トマト煮込みでと手作り食に活躍するのはトマトです。
トマトには「三大抗酸化ビタミン」と呼ばれる「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」が多く含まれています。
トマトの赤い色素である「リコペン」はβ-カロテンよりもさらに強い抗酸化力が備わっています。
生で、加熱でも犬のごはんに使えます。缶詰を使えば通年トマトを利用でき、便利です。
トマトの詳しい解説がこちらを参考に:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】
まとめ
- 「犬に野菜はダメ」ではなく「ダメな野菜もある」が正解
- 消化できないから体に悪いというわけではない
- ダメな野菜はその理由も知っておこう
- 初心者は加熱、細かく刻むなど消化良い調理法でチャレンジしよう