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犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

柔らかい春キャベツ、肉厚な冬キャベツなど「キャベツ」は1年を通して美味しくいただける野菜です。

実はこのキャベツ、犬の手作りごはんにもとても使える優秀野菜

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(キャベジン)」を含む、胃腸に優しい野菜でもあります。

この記事を読むことでわかること:

  • 犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット
  • 注意点
  • キャベツの栄養価

以下、解説記事。

犬の手作りごはんにキャベツを利用するメリット

キャベツは通年手に入る手頃な野菜です。ビタミン類、食物繊維が豊富

栄養価が高く、細かく刻む、柔らかく煮込むことで手作り食が初めての犬でも受け入れやすい野菜です。

また、野菜に慣れ犬であれば生のままでも美味しくいただけます

生で、炒めて、煮込んでと調理のバリエーションが豊富なこともキャベツの魅力です。

利用時の注意点

キャベツの外側にある硬い葉は、犬のお腹に合わない場合もあります

スーパーではよく、箱が用意されていて外側の緑色が濃い硬い葉をお客さんが剥いて柔らかい中身だけを購入できるようにしてありますよね。

外側の硬い葉は、ジャキジャキしていてあまり美味しくはありません。人が食べても美味しいと感じられる柔らかい部分が犬にもおすすすめです

豊富なビタミン類

キャベツの栄養素の特徴は豊富なビタミン類です。

ビタミンC

抗酸化ビタミンとして有名。体内でタンパク質からコラーゲンを合成する際にも必要。水溶性に水に溶けやすい。

ビタミンK

出血を止めるのに欠かせない「止血ビタミン」。骨を丈夫にする働きもあります。脂溶性。

ビタミンU(ビタミン様物質:キャベジン)

成分名「キャベジン」は胃腸薬としても有名な製品名にもなっています。あのキャベジンです。

ビタミンUは正確に言えば「ビタミン様物質」に分類されます。ビタミンではないが、ビタミンに近い働きをする成分です。

ビタミンUは胃酸の分泌を抑制し、胃や十二指腸粘膜の新陳代謝を促し修復する働きを持ちます。

初心者は煮込み料理がおすすめ

犬の手作り食初心者はキャベツは加熱し、柔らかくした「煮込み」がお勧めです。

ビタミンC、Uは水溶性。水に溶け出す性質があるため、煮込みにして汁ごと犬に与えると栄養の損失が防げます。

生で与える場合も、水にさらすのは短時間にとどめます。

まとめ

  • キャベツはビタミン類と食物繊維が多く犬にもおすすめ
  • 固い外側の皮は避ける
  • 初心者は煮込みがおすすめ
  • 煮汁こと食べる料理が向く
  • ビタミンUは胃粘膜の保護に役立つ。胃腸の調子が悪い犬に

こちらも合わせてご参考に:

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬に野菜ってあげていいの?与えてダメなものではないですよ。詳しい理由と解説【初心者向け】

犬に野菜ってあげていいの?」これって手作りごはんをやっていく上で永遠のテーマとも言える悩みですよね。

結論から先に言うと「玉ねぎなど、犬に明らかに害のある食べ物以外は基本OK」です。

ただし条件付きOKの野菜もあるため、野菜に関しては単純に「良い・悪い」が言えません。

「犬は肉食動物なので野菜は体に負担」と言うのは明らかに間違いです。ネット上に多い記述なので要注意。

この記事では「犬と野菜の関係」を正しく解説し、与える際の注意点も併せてお話しします。

大雑把な結論:犬に野菜は問題ない。ただし…

野菜といってもいろいろありますよね。

犬のとってダメな野菜をまずしっかり理解しましょう。

ネギ類はNG×

長ネギ、玉ねぎなどの「ネギ類」に含まれる成分(アリルプロピルジスルフィド)は犬が許容量を摂取すると「玉ねぎ中毒」を引き起こします。

参考:犬の手作りごはん「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】

玉ねぎ中毒」になると赤血球が壊れ、中の色素が尿に漏れ出てきます。赤〜濃いオレンジ色に近い「ヘモグロビン尿」がでます。この症状があるときはすぐに動物病院へ。

きのこ類は条件付き△

手作りごはんの本やネット上のレシピには「きのこ」を犬の手作りごはんに勧めている記事もあります。しかし犬によっては「きのこ」を与えると嘔吐する場合があります。

きのこは犬にとって消化しにくい食物です。与える際はごく少量に止めるか、細かく刻んで少量から始めて様子を見ましょう。

尚、きのこ類は絶対に「生」で与えてはいけません。

きのこの生食はヒトでも食中毒の危険があります。

犬に野菜がダメって何故言われるのか?

犬は肉食動物なので「野菜」は消化に悪い、適さないという説をネット上でよく見かけます。

これは明らかに誤りです。以下解説。

犬は雑食動物です

犬の祖先は狼、狼は肉食、だから犬も肉食、という風に誤解されています。これは誤り。

犬は雑食動物。肉も食べますが、穀物食、野菜にもよく適応します。

野菜を犬は消化できないから負担は「間違い」×

野菜に含まれる「食物繊維」を消化し、自分のエネルギーとして利用できるのは草食動物です。

草食動物は消化管に微生物を飼っていて、その微生物に食物繊維を分解してもらい、その副産物をエネルギー利用しています。

犬も人も自前の消化酵素では食物繊維を消化できません

犬・人でも腸内細菌がごくわずかに食物繊維を分解し、そこから微量なエネルギー利用も行われているようです。それでも必要なエネルギーをまかなうほどではありません。

食物繊維のメリットはむしろ「消化できないこと」にあります。

消化できないからこそ、腸内で膨らみ排便を促す、腸内の不要物を吸着し排泄を促すなど様々なメリットがあります。

消化できない=体に負担とは限らない

ということです。

初心者におすすめの「野菜」5種

犬の手作りごはん初心者でも扱いやすい「犬におすすめの野菜」を5つ厳選してご紹介します。

1:白菜

柔らかく癖のない「白菜」は初心者におすすめです。柔らかく切り、食べやすい大きさに切って与えます。

他の素材の味が染み込みやすいので、肉と合わせると野菜が初めての犬でも抵抗なく食べられます。

2:にんじん

緑黄色野菜のにんじんはβ-カロテンが豊富です。β-カロテン抗酸化力が高く体内の酸化防止におすすめです。

犬は甘みを好みます。にんじんを柔らかく煮て甘みを引き出すと犬にも食べやすい。食べやすい大きさに切って与えます。

3:きゅうり

水分が多く、ぽりぽりとおやつ代わりに食べる犬も。暑い時期の水分補給にも最適です。

与える際は薄くスライスして。生でも、炒め物でもOKです。

4:キャベツ

胃の粘膜を保護する「ビタミンU(通称:キャベジン)」が豊富。「ビタミンC」も豊富で特に芯の近くに多く含まれます。

火を通すと柔らかくなります。手作り食にまだ慣れていない犬には加熱して与えます。野菜に慣れている犬であれば、生でも加熱でも。

キャベツの解説記事はこちら:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「キャベツ」の解説。胃粘膜の保護に【初心者向け】

5:トマト

トマトの酸味や甘みを好む犬は多く、生で、トマト煮込みでと手作り食に活躍するのはトマトです。

トマトには「三大抗酸化ビタミン」と呼ばれる「β-カロテン(プロビタミンA)」「ビタミンC」「ビタミンE」が多く含まれています。

トマトの赤い色素である「リコペン」はβ-カロテンよりもさらに強い抗酸化力が備わっています。

生で、加熱でも犬のごはんに使えます。缶詰を使えば通年トマトを利用でき、便利です。

トマトの詳しい解説がこちらを参考に:犬の手作りごはんにおすすめ野菜「トマト」の解説【初心者向け】

まとめ

  • 「犬に野菜はダメ」ではなく「ダメな野菜もある」が正解
  • 消化できないから体に悪いというわけではない
  • ダメな野菜はその理由も知っておこう
  • 初心者は加熱、細かく刻むなど消化良い調理法でチャレンジしよう

犬の手作りごはんレシピ「基本の鶏肉おじや」【初心者向け】

犬の手作りごはん初心者には、作りやすい「鶏肉おじや」がおすすめです。材料を柔らかく煮込む「おじや」は、手づくりごはんを初めて食べる犬にも消化がしやすいです。

犬の手作りごはん鶏肉おじや
初心者向け犬の手作りごはん「鶏肉おじや」

今回は「鶏肉」を使ったレシピをご紹介します。鍋に材料を入れて煮込むだけなので簡単です。

*レシピはすべて、体重25kgの大型犬2匹×2回分です。
*犬に与える手作り食の「」についてはこちらの記事(現在制作中。準備出来次第UPします)を参考にしてください。

食べている様子、材料、作り方、コツの紹介

このメニューを実際に犬が食べている様子を動画でご紹介します。

材料

  • 鳥もも肉:1枚
  • ごはん(炊いたもの):1膳
  • ブロッコリー、カリフラワー:小房を各3個ずつ
  • にんじん:1/2本
  • インゲン:2本
  • 水:600cc

作り方

  • 鍋に湯を沸かす。鳥もも肉は一口大に切る。ブロッコリー、カリフラワーは小房に分ける。にんじん、インゲンは食べやすい大きさに切る。
  • 鍋に肉、野菜を入れ柔らかくなるまで煮る。
  • 材料が煮えたら、ご飯を加えて軽く混ぜる。
  • 十分冷ましてから犬に与える。

簡単に作るためのコツ

野菜は数種類が入った「冷凍ミックス」を使うと便利です。手軽に複数の野菜が一度に摂れます。その場合は、「犬に食べさせてはいけない野菜」が入っていないかに気をつけてください。「食べさせてはいけないもの10のリスト」【初心者向け】も、あわせて参考にしてください。