私たちにとって身近な食物「大豆」。豆のままで、加工食品として様々な形で私たちは大豆製品を口にしています。
そんな大豆。犬に与えても果たして大丈夫なのでしょうか?
大豆の栄養価、犬に与える際の注意点をこの記事では解説していきます。
大豆の栄養価
大豆にはタンパク質のほか、食物繊維、ビタミンB1、E、イソフラボン、大豆サポニンが豊富です。
利用効率の良いタンパク質が豊富
大豆はよく「畑の肉」と呼ばれます。
これは肉類に匹敵するほど良質なタンパク質を含んでいるためです。
通常、植物に含まれるタンパク質はアミノ酸バランスに偏りがあり、体内での利用効率が低いのが一般的です。
アミノ酸のバランスを評価する数値「アミノ酸スコア」を比較すると、利用効率が良くアミノ酸バランスが取れている鶏卵を100に対し、小麦は50です。
同じ植物性の食品でも、大豆はアミノ酸スコア100で肉や卵と比べて劣りません。
大豆が畑の肉と呼ばれるのはこのためです。
豊富なビタミン類
糖質をエネルギーに変えるのに欠かせないビタミンB1、抗酸化作用の強いビタミンEも豊富です。
イソフラボン
植物の色素、アク、渋み、苦味成分で多くが抗酸化作用を持つ成分のグループをポリフェノールと呼びます。
イソフラボンはこのポリフェノールの一種です。
女性ホルモン:エストロゲンに似た働きを持ち、更年期障害解消に期待が持たれる成分です。
大豆サポニン
植物に含まれるアク(発泡成分)の一種です。
抗酸化作用が期待される成分です。
大豆は犬に与えていいの?→形状によります
大豆は犬に食べさせても良い食品です。
しかしながら与え方には注意が必要。以下解説です。
大豆は必ず加熱
基本事項として、大豆に限らず豆類は基本、加熱して与えるのが大前提です。
ゆで大豆、枝豆、炒り豆などは消化が悪い
ゆでた大豆はそのままだと犬には消化がしにくい食べ物です。
犬は食事をほぼ丸呑みする生き物です。ゆで大豆はそのままで固く、もともと消化がしにくい食物です。さらに丸呑みなので丁寧に咀嚼されることはほぼありません。
ゆで大豆は犬にとって、非常に消化が悪いためおすすめの調理法ではありません。
枝豆、炒り豆なども同様です。
加工食品は犬でも消化がしやすく、大豆の栄養素を取り込みやすい
納豆、豆腐などの加工食品は犬にもおすすめです。
納豆は最大限におすすめ
大豆の加工食品の中でも、納豆は最もおすすめの食品です。
納豆は大豆のタンパク質を微生物によって分解させた食品です。そのため、質の良い大豆のたんぱく質が犬にも利用しやすいアミノ酸の形に変えられており、犬の体内でも利用がしやすいです。
納豆に形状も様々ですが、犬の場合はひきわり納豆を利用することでより消化しやすい形で大豆を摂取できます。
豆腐も犬にはおすすめ
豆乳から作る豆腐は、大豆の栄養価はほぼそのままで消化の良い食材です。犬の手作りごはんにも利用できます。
豆腐の場合も手作りごはん初心者の方は、加熱して与えるのが良いでしょう。
ひき肉と合わせて、スープなど犬の手作りごはんに気軽に取り入れてみてください。
大豆アレルギーがある場合は、与えない
大豆にアレルギー反応を示す犬もいます。これは人間も一緒です。
アレルギーがある場合は当然ですが、与えてはいけません。
結論
大豆は良質のたんぱく質を含む、犬にもメリットが多い食材です。
一方で形状によって消化のしやすさが異なります。
犬は食事をほぼ丸呑み、という性質を考えると、ゆで大豆、炒り大豆、枝豆はおすすめの食べ方ではありません。
豆乳を固めた豆腐、発酵により消化がしやすくなった納豆の利用が犬にはおすすめ。