犬の管理栄養士、Office Guriの諸橋直子です。今回も「老犬のごはんと健康管理」をテーマにお届けします。
前回の記事はこちら:
●老犬の健康を守る食事のはなし(1)
https://dog-lifenow.info/old-dog-feeding-2022/
老犬の病気予防のために、体を酸化から守る栄養素を摂るのがおすすめですよ、というお話でした。なので今回は、「具体的にどんな栄養素を摂ればいいの?」「どんな食べ方で?」についてお話ししていこうと思います。
抗酸化ビタミンA・C・E
体内の酸化をへらすために、食事から「抗酸化作用」を持つ栄養素を摂取することは
ヒト、そして犬に対してもおすすめです。
抗酸化作用を持つ栄養素で、代表的なものを以下にあげます:
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
詳しくみていきましょう。
ビタミンACE(エース)を知ろう
この3つは抗酸化ビタミンとして「ビタミンACE(エース)」と呼ばれます。それぞれ高い抗酸化力を持ちますが、組み合わせて食べると相乗効果で抗酸化力がさらにUPします。
ビタミンA
ビタミンAは肉類、野菜類、乳類、卵類など幅広い食品に含まれます。
多く含まれる食材の代表は「レバー類」。ただし、レバー類はビタミンA含有量が飛び抜けて多いため
過剰症を心配する方もいます。
これについては過去に詳しく解説してあるので、こちらを参考にしてください。
過剰症の心配なしに食べられる食材でおすすめなのは:
などの緑黄色野菜。
これは「カロテン」の形でビタミンAが含まれているためです。
「カロテン」は必要に応じて体内でビタミンAに変換されるため、過剰症の心配がありません(必要がない場合は変換されないからです)。
ビタミンC
犬は自前でビタミンCを合成できるので食事やサプリメントで補う必要はない、という意見も見られます。
しかし、そこまで犬も豊富にビタミンCをがんがん合成できるのか?という点には疑問が残ります。
作れる量には限界がある一方でストレスを受けると、どんどん消費されてしまうという特徴もあるので
食事から適度に摂取するのは、犬にとっても好ましいことだと、私自身は考えています。なので我が家ではビタミンCを含む食材を意識して、適度に取らせています。
多く含まれる食品は以下の通り:
- じゃがいも
- さつまいも
- パプリカ(赤)
- かぶの葉
- ブロッコリー
じゃがいものビタミンCは加熱しても壊れない特徴があるため、我が家ではビタミンC供給源として頻繁に利用しています。
デンプンを多く含みエネルギー源ともなるので、主食代わりにも重宝します。
カブの葉は炒めたり、スープにしたものが、犬たちには喜ばれます。ブロッコリーは、おやつ代わりにおすすめです。
ビタミンE
非常に強い抗酸化作用を持つため、食品や化粧品の酸化防止剤としてもよく利用されます。
ラベルには「トコフェロール」と表記されることも多いのです。なのでこれを見つけたら「ビタミンEのことだな、酸化から守ってくれているんだな」と思っていただければ幸いです。
ビタミンEは植物油に多く含まれ、ひまわり油の含有量がトップです。
その他の多く含む食品は以下の通り:
- 大根の葉
- かぼちゃ
- パプリカ(赤)
- 鮭
- ツナのオイル漬け
抗酸化ビタミンを美味しく食べて、老犬を健康に
ビタミンAとEは脂溶性ビタミン。Cは水溶性。
AとEは油と組み合わせると吸収率が上がります。
我が家ではにんじんをしりしり器で細切りにし、オイルとあえてサラダにすることが多いです。
犬たちも似たようなアレンジで、にんじんを美味しく頂いています。
また、我が家のビタミンC供給源はじゃがいもです。細切りにしたじゃがいもを肉と炒める、蒸したじゃがいもを主食にして肉や魚と組み合わせて、犬たちに食べてもらっています。
我が家の犬たちは9歳と11歳。大型犬なので立派なシニアです。
栄養の知識、老犬の体についての知識があると、手作りごはんも健康を意識して作ることができるのでおすすめです。
現在、Office Guriでは老犬の食事と健康をテーマに、新講座を企画中です。
興味のある方は、是非楽しみにお待ちくださいね。
手作りごはんの基礎を学びたい方は、こちらも無料電子書籍でも初歩的なことを学べます
手作りごはんのセルフ学習無料テキスト配布中。ご請求はこちらから。
コメント
Comments are closed.