こんにちは。犬の管理栄養士 | 諸橋直子です。
秋鮭の季節となりました。そこで先日、鮭を使った「フライパンで作る炊き込みごはん」を犬たちに作って食べさせました。
北海道の住民としてはやはり、この時期は「鮭」を強く推したいです。レシピ、材料などは別記事にまとめたので気になる方は是非参考にしてください。
最後に白ごまを乗せて、香りよく仕上げるのがポイントです。
食材は「成分」だけで見ない、全体でみよう
さてえ、先日メルマガ「ぐり通信」で、この書籍をご紹介しました。
実は意外と、読者のみなさんお反応が薄かったというか(とても良い本なんですけれど)、科学的と言う言葉が硬かったのか、思ったほど興味を持っていただけなかったようです。
でも中身は本当に充実した本です。
特に食材を
「成分だけで見ない、食材全体でちゃんと評価しましょう」
と言うのは大切な考え方だと私は思っています。
犬の食事を考える際、特に手作りごはんを続けていく上でも、これは外せない考え方です。なので今日はそれについて書こうと思います。
イケてない人をカッコよく改造する!「クィア・アイ」における「食事」
話は全然明後日の方向に飛びます。先日からNetflixで「クィア・アイ」という番組を見出したら止まらなくなりました。
これは、内面と外見が「イケてない」人を
- 美容
- ファッション
- インテリア
- カルチャー
- 食事
のプロフェッショナル(そして全員がゲイ)が改造し「人生って良いものだよね」を再確認すると言うリアリティ番組です。
怠惰な生活で太ってしまった人、自信をなくして殻に引きこもっている人ど様々な事情を抱えた依頼者が毎回登場します。そして彼らの多くは、お決まりのように「食生活」が乱れています。
そこを食事担当(料理、ワイン担当)が指導します。
見ていて面白いのは、食事担当のアントニが必ず「新鮮な食材」を使ったレシピを依頼者に教えるところ。
さらに特徴的なのは、一緒に地元のスーパーに行き、旬の食材を実際に手にとり、良し悪しを見分けるところから始めるところです。
「新鮮なものが手に入る時はそれを使って。缶詰は避けて」
というのが彼のアドバイス。
生鮮食品を選んで使う、それだけで体にもよく美味しい料理を作ることができる。実にシンプルです。
難しいことを考えなくてもいい。フレッシュな材料を使う、というその1点のみ注意することで、食生活が劇的に改善します。
今まで「食」に無頓着だった人も、加工食品や高カロリーなお菓子を止めるだけで、健康的な食生活に近づけます。
栄養学的な小難しい理屈はとりあえず置いておいて、まず簡単にできる「行動」を変える。これって大事ですよね。
そしてさらに面白いことに…。
料理を楽しめるようになると、自信が湧いてくる
料理なんてまるで興味のなかった依頼者が、最後の方になると料理そのものを楽しめるようになるんですね。それがとても印象的でした。
作った料理を家族や友人に振る舞い、美味しいと言ってもらえる。
こうやって「料理に楽しさ」が生まれるとますます料理が好きになるでしょうね。食材にも興味が出て、食生活も健康的に変わっていく。
そうそう、そうだよねえ、やっぱり「食事と料理」は大事だ、とついつい見続けてしまうわけです。
私たちは犬のために「小難しい栄養の話」も少ししよう
さて、話を「犬の食生活」に戻します。
「加工食品から、生鮮食品を使った簡単な料理に変えるだけで健康になれる」
結構乱暴な言い方ではありますが、これは大筋で合っています。
そこで冒頭の『食材は「成分」だけで見ない、全体でみよう』戻るわけですが、ここで興味深いエピソードを1つご紹介します。
前出の書籍「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」からの引用です。
βカロテンはがんのリスクをあげる
1970年代までに、生活習慣病とがん発症の関連を調べた研究において、緑黄色野菜や果物をたくさん摂取している人に胃がんや肺がんが少ないことが報告され、
引用元 | 世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
これらに多く含まれるβカロテンによってがんが予防できるかもしれないと考えられるようになった。
そして1990年代には、喫煙者およびアスベスト曝露のある人たちを対象に、
βカロテンとビタミンAのサプリメントの効果を評価するランダム化比較試験が行われた。
その結果、βカロテン(+ビタミンA)は肺がんを予防するどころか、むしろ肺がんのリスクを上昇させることが明らかになり、この研究を継続することは倫理的問題があるということで、当初の予定より早く中断せざるを得なくなった。βカロテンはそれだけでなく、死亡率や心筋梗塞のリスクまでも高めると報告された。
(中略)
これらの研究が、健康のためには「成分」よりも「食品」に注目することが重要であることが認識されるようになったきかっけのひとつである。
筆者はこの章の最後に
「健康的な食事をするために必要なのは体に良い「食品」を選ぶことであり、成分が重要なのではない」
とまとめています。
特定の成分が良いからといって、それが含まれているものばかり食べるとか、サプリメントで大量に補う、ではなく「食品」として、いろいろなものを食べることが大事、というのがこの書籍に書かれている大切なメッセージです。
個人的に、私はサプリメントが悪いものだと思っていません。加工食品だって、適度に利用する分には時短になり、便利。
犬にとっての加工食品代表は「ペットフード」ですが、我が家ではこれも上手く使わせてもらっています。時間や大量に余裕がない時は、ありがたくお世話になっている。
一方で、やっぱり「食材」ってその「食材まるごと」でやっぱりひとつの食べ物、と納得する部分が多い。
我が家で犬たちに、時間が許す限り手作りごはんをわざわざ作り、しかも旬の生鮮食品を意識して取り入れているのはこのためです。
せっかく身の回りに、美味しい食材がたくさんある。しかもそれは体に良いのです。自宅で犬に健康的な食事を作ってあげられるのであればそれに越したことはないですよね。
あなたの場合はどうですか?犬の「食」をどう言う基準で考え、選んでいますか?
今日は「うちの犬にとって健康的な食事ってなんだろう?」について、是非考えてみてくださいね。
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