犬の手作りごはんの始め方 | 必要な3つの「基礎知識」を学ぼう | 初心者の方へ

犬の管理栄養士アドバンス| 諸橋直子です。今回は「犬の手作りごはん」に興味を持った初心者向けに、実際に始める前に何を知っておいたら良いのか?について解説していきます。

手作りごはんをはじめるにあたり「基礎知識」はやっぱり大事

さて、このサイトにここ3ヶ月ほど気になるキーワードでのアクセスが増えています。

そのキーワードというのが、「犬 手作りご飯 よくない」。

調べてみると、犬の手作りごはんの普及する一方で、「いや、素人が犬のごはんを手作りごはんなんて良くないよ!」という反論も多くなったためだと言う状況がわかってきました。

たしかにそのように言われると不安を感じる方も多いでしょう。

では実際にはどうなのか。

当サイトとしての見解は

犬に適した食事、体の特徴などを理解した上で、基礎的な栄養学の知識を持った飼い主が手作りする

場合は、特に問題ないと考えます。

一方で、こうした知識なしにいきなり手作りするのは、まったくおすすめではありません

短くまとめると、条件付きで問題なし、その条件が満たされない場合は、問題あり、となります。

ところで、これは何も犬に限ったことではありません。

人間の世界でも、食事や栄養について、基礎的で正しい知識を持たない場合、体重増加や生活習慣病につながりやすいとされています

特に生活習慣病は、近年問題になっています。医療費の圧迫にもつながるため国が懸命に、知識の普及や生活改善指導に力を注いでいます。

つまり、食事や栄養教育について言えば、ヒトも犬も大事であり、それを抜きに食事を考えるのは、少々乱暴では?というのが共通点です。

どちらの場合も「基礎知識は最低限、必要です」という話ですね。

では、具体的にどのようなことを学べば良いのでしょうか。3つのポイントに絞って、以下に解説します。

1 | 食べさせてはいけないものを把握しよう

手作りごはんを始めるにあたり、最も大切なのが「安全」です。

犬と人間は異なる動物です。そのため、人が食べても問題がないものでも、犬が食べると健康上問題がある食材もあります。

食事は美味しさや栄養バランスも大切ですが、何よりまず「安全であること」が大前提です。そのため、犬に食べさせてはいけないものを、事前に把握した上で手作りごはんを始める必要があります

2 | 栄養学についても、必要最低限の知識を持とう

手作りごはん初心者で「素人が手作りをして、栄養バランスはちゃんと取れるのだろうか?」と心配される方もいます。

ペットフードが栄養バランスを配慮した製品であることと比較され、このような心配をする方が多いようです。

手作りごはんにすると、たしかにそれは「犬に必要な栄養素とエネルギー」が全てその食事に含まれている必要があるため、初心者であるほど、とても大変そうだと感じることがあるでしょう。

実際には、手作りごはんを作る際、厳密な栄養価の計算は必要ありません。ただし、栄養素の偏りが起きないよう、配慮する必要があります

そのためには「栄養学の基礎知識」と「どんな食材にどんな栄養素が含まれるか」という、必要最低限の知識が必要です。

3 | 食事の選択肢は多いほうがいい | ペットフードについても知ろう

犬の手作りごはんに興味を持った方に、もうひとつ「これも知っておいた方が良い」とおすすめの知識は「ペットフードについて」です。

興味があるのは手作りごはんなのに、なぜペットフード?と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし「犬の食事に選択の幅を持つ」ことは、犬・飼い主さん両者にとってメリットがあります。

犬の食事といえば、ペットフード。ペットフードといえば世界規模で生産、販売されており市場規模も大きな一大産業です。その分、中身もよく研究されており、日々改善が重ねられている製品でもあります。

近年では、犬の病気や健康上の要求に答えるための、様々な療法食も充実しています。

ペットフードには、ペットフードの利点があります。これを知り、手作り食ではカバーできない部分を補うために活用することは、賢いやり方です。

もちろんペットフードにもデメリットはあります。しかしそれは手作りごはんも一緒です。

大切なのは、ペットフードに手作りごはんという風に、犬の食事に複数の選択肢を持つこと。それぞれのメリット、デメリットを理解した上で賢く選択することです。

食事の選択肢が少ないと困るケース

犬の食事の一択だと、厳しい状況に追い込まれる場合もあります。

例えば、愛犬に鶏肉アレルギーがあることがわかり、鶏肉の入っていないフードを探す飼い主さんがいます。ところが、そのときになってはじめて、世の中のフードのほとんどに鶏肉が使用されていることを知り、がっかりするかもしれません。

鶏肉を使用しないフードも存在ます。しかしながら、鶏肉以外の素材がメインのフードは割高で、コスト的に困る場面が出てくる可能性もあります。

ここでもし、手作りごはんという選択があれば、鶏肉を使用しないレシピで、材料を飼い主がすべて把握した上で犬の食事を用意できます。

ただし、手作りごはんは文字通り「手作り」なので飼い主が自ら作る必要があります。忙しい毎日を送る人の場合、この「作る」がネックになる場合もあります。

こんな風に、こういう場合どうする?を考える際には、選択肢は多い方が助けとなります。

手作りごはんに興味を持つきっかけは人それぞれです。それぞれの事情にあった、最適の選択ができるとよいですよね、というのが当サイトの基本姿勢です。

まとめ | 手作りごはん初心者はまず何から学習すればいい?

当サイトで、犬の手作りごはん初心者の方へ学習を進めているのは以下の3つです。

安全に犬の手作りごはんを楽しむために、まず基本の知識を学習してみてください。

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