Office Guriの諸橋直子です。
全国的には秋の気候ですがOffice Guriのある北海道札幌市は、気温的には確実に初冬という感じになってきています。夜の最低気温が4度のときもありますし、そろそろ冬支度、というのが10月のイメージです。
ところで「冬」になると特定の疾患や体調不良が増え、犬の動物病院受診の件数が増えることをご存知でしょうか?
冬に増える、犬の病気・体調不良は以下の通りです:
- 膀胱炎
- 結石症
- 心臓病
- 関節痛
- 皮膚疾患
ではなぜ、冬にこれらの疾患が増えるのでしょうか?
今回は「膀胱炎」を例に取り、解説していきます。
冬に犬の膀胱炎が増える理由「水を飲む量が少なくなる」「トイレの回数が減る」
冬に犬の膀胱炎が増える理由は以下の2つです。
- 水を飲む量が少なくなる
- トイレの回数が減る
水を飲む量が少なくなる
夏には暑さで水をたくさん飲んでいた犬も、冬になると飲む量が減ります。
犬は人間と違って「疲れたから休憩にちょっとお茶でも」という感覚で、水分を摂取することはありません。「喉が渇いたら飲む」が基本です。
そのため気温が下がってから意識して犬に水を飲ませようと思うと、ただ水を与えるだけでは難しいのが現状です。
水は犬や人間にとって、健康を守る上で欠かせないものですが
「1日の必要量を十分摂れているか?」
については、意識していないと意外とできていないものなのです。
トイレの回数が減る
「トイレの回数が減ることが、なぜ膀胱炎の発症につながるの?」
水を飲む量が減ると、トイレの回数が減ります。これが膀胱炎を起こしやすい環境につながります。
尿そのものに、実は殺菌作用があります。その殺菌作用を持つ尿を排泄することは、膀胱や尿道を尿で洗浄しているのと同じです。
おしっこの回数が多く、たっぷりの尿を排泄することで、犬は膀胱と尿道をきれいに保っているんですね。
それが回数が減り尿量自体も減ると、膀胱を空っぽにし、尿道を洗う機会が減ります。
結果として、感染症である膀胱炎を起こしやすくなってしまうのです。
冬の膀胱炎の「原因」を知る=対策につながる
以上が「冬に犬の膀胱炎が増える理由」です。
実は我が家の12歳の犬:カンナは定期的に膀胱炎を発症する常連でした。昨年の夏より我が家の犬になって、ちょうど1年が経ちました。現在は水分の多い食事を心がけていることもあり、
膀胱炎を発症することなく元気に過ごしています。
まだ実家の犬だった頃は、膀胱炎のたびに我が家で病院へ連れていきました。送迎が大変なので、完治までしばらく我が家で預かって通院していた時期もありました。
その時も獣医さんからのアドバイスは:
「お薬を飲んで、あとは水分をたっぷり取ってね!」
たっぷりの水分摂取は、膀胱炎の予防に繋がります。
ではどうやって、犬にたっぷりの水分をとって貰えばいいのでしょうか?
秋から旬!膀胱炎の予防に。カリフラワーで作る「白い野菜とタラ(鱈)のスープ」
犬の食事に含まれる水分量を多くすることで、ごはんを食べながら同時にたっぷりの水分が摂れるメニューがあります。それが「スープごはん」です。
材料
【大型犬(体重20〜25kg)2匹分】2回分の分量です
- たら:3切(320g)
- じゃがいも:2個(230g)
- カリフラワー:1/4個(250g)
- オリーブオイル:大さじ1
- 水:400cc
- フリッジ、うどんなどの主食:適量
作り方
- じゃがいもの皮をむき、賽の目に切る。
- カリフラワーをざく切りにする。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、じゃがいもとカリフラワーを加えて炒める。油が全体に回ったら水を加えて煮込む。
- タラは骨を取り、食べやすい大きさに切って鍋に加える。
- 全体に火が通るまで5〜7分煮る。
- フリッジ、うどんなどの主食を茹で、冷ましておく。
- 主食に冷ましたスープと具材をかけて犬に与える。仕上げに豆乳を加えても良い。
*レシピは犬の管理栄養士が、専門知識に基づき作成しています。
食事の水分量を考えたことはありますか?
犬の手作りごはんを実践する飼い主さんで
「栄養バランスが気になる」
「適切なカロリーは?」
というあたりを気にする方は多いです。
しかしながら「1日に犬がどのくらい水を必要とするか?」については、考えがあまり及ばないという方は結構いらっしゃいます。
実は、きちんとした栄養学の本を読むといわゆる
「五大栄養素」
とよばれる、身体に必要な栄養素と同等に「水も大事な栄養素です」という記載が必ずあることに気づきます。
これはある意味当然のことで、なぜなら水は私たち人間、そして犬の生命維持に欠かせないものだからです。
それなのになぜ、私たち飼い主は犬の飲水量に、カロリーやタンパク質ほど注意を払わないのでしょうか。その原因の一つに
「水は十分飲めるよう、用意してあるし自由に飲めるのだから犬は必要な量を自分で決めて、十分飲んでいるはず」
という思い込みがあります。
確かに、手作りごはんは飼い主が材料を選び、作るため、必要な栄養バランスを考えて、それらがきちんと入るようレシピを組まなければなりません。
それと比べると、水は用意してあるのだから、喉が渇けば自分で飲むよね?と私たちはどこかで思っているフシがあります。
たしかにそうなのですが、
「健康維持と病気予防」
の視点で考えた場合、果たしてそれで十分なのでしょうか?ということなのです。
今回のように「犬の冬の膀胱炎を予防したい」という目的がはっきりしている場合、犬の自発的な飲水行動の他に「食事から無理なく水分摂取を行う」ための工夫が必要です。
犬が水を飲む量が減る寒い時期こそ、水分たっぷりのスープごはんで健康管理を行いましょう。
犬の手作りごはんは『基本』をしっかり学んでから
手作りごはんを始める前に、『食べさせてはいけないもの』『作り方』などの基本事項を学びましょう。Office Guriでは手作りごはん初心者向けに、電子版ガイドブックを無料配布しています。
興味のあるかたはこちらからご請求ください。
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