犬に小麦粉をあげてはいけない?アレルギーの原因になる、消化に悪い?
小麦について様々なことが言われていますが、実際どうなのでしょうか?
この記事では犬と小麦粉の関係について栄養学、犬の消化、2つに視点から解説します。
小麦の栄養価
小麦は世界で最も生産されている穀物です。
主な栄養素は糖質、タンパク質、ビタミンB1。
糖質をエネルギーに変えるためにはビタミンB1の存在が必須です。
そのため、小麦から作られたパン、パスタなどは即効性のあるエネルギー源になります。スポーツ選手がエネルギー源としてパスタを好むのもこのためです。
小麦のタンパク質はアミノ酸バランスにばらつきあり
小麦はタンパク質を豊富に含みますが、タンパク質を構成する「アミノ酸」のバランスにはばらつきがあります。
アミノ酸バランスが理想的な食物とされる「卵」のアミノ酸スコアは100ですが、小麦はその半分の50。
アミノ酸スコアが低いと、その分体内での利用効率が下がります。
小麦は特に、アミノ酸「リシン」が不足することで知られます。
小麦粉のタンパク質を犬の体内で効率よく利用するには、不足しているアミノ酸のバランスを補うような食べ合わせが必要です。
例えば、パスタやうどんを主食にする場合、アミノ酸バランスが良い卵や肉類と組み合わせることで、アミノ酸バランスの偏りを補うことができます。
即効性のあるエネルギー=太りやすい食物である点に注意
小麦を原料とするパスタやうどんは、犬の手作りごはんに利用しやすいエネルギー源です。
その一方で、即効性のあるエネルギー源でもあり血糖値の上昇が急激であるという特徴があります。
血糖値が急激に上がると、体はそれを余剰エネルギーとして脂肪細胞に取り込むよう働きかけます。結果、太りやすくなります。
パスタやうどんは決して犬に与えてはいけない食物ではありません。
しかしながら、減量中である、これ以上体重を増やしたくないという場合は要注意。
ごく少量の利用に止めるか、食物繊維を多く含む野菜と一緒に摂取して血糖値の上昇を緩やかにするなど工夫が必要です。
犬と糖質、消化の関係
犬は雑食生の動物であり、穀物食にもよく適応します。
人間のように唾液に糖質の消化酵素である「アミラーゼ」を含みませんが、膵臓から分泌されるアミラーゼの活性が非常に高く、糖質も問題なく消化できます。
ただし、アレルギーには注意しよう
人間でも小麦にアレルギーを持つ人は多くいます。
犬の場合も小麦にアレルギーを示す次弟が増えてきています。
小麦にアレルギーがある場合は、当然ですが与えてはいけません。
小麦と犬の関係、結論
アレルギーがない限り、犬に小麦製品を与えても基本的に問題ありません。
ただし、小麦に含まれるタンパク質のアミノ酸スコアは低く、バランスは悪いです。そのため肉、卵などアミノ酸バランスの良い食材との組み合わせが理想です。
小麦製品は急激に血糖値を上昇させる食物でもあります。
これはすぐにエネルギーを得たいときには利点となりますが、減量中や体重増加を望まない場合はデメリットとなります。
体重を増やしたくない場合は、血糖値の上昇を緩やかにする野菜などと組み合わせる必要があります。
パスタ、うどん、パンなど小麦製品を犬が利用する機会は多いです。
犬用クッキーなどお菓子の材料としてもよく用いられます。
小麦の特性を知り、目的に合わせて上手に利用することが大切です。